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[気鋭新鋭]中島 京子(なかじま きょうこ)さん41(作家)

物語が降ってくる楽しさ

写真の拡大中島京子さん
中島京子さん
中島京子さん

 田山花袋の『蒲団』に題材を取った小説『FUTON』を一昨年5月に発表し、本格的な作風で注目を集めた新人作家だ。今年3月、2作目となる長編『イトウの恋』(講談社、1600円)を出版した。「前作を書き上げた後、構想が浮かびました。書店に本が並ぶのを見ると、子供が成人したような気分です」

 英国の女性旅行家イザベラ・バード(1831〜1904)が、明治時代に東京から北海道まで旅したことをモチーフにした。自分でも実際に東京から青森まで車を運転して2人の足跡をたどり、執筆したという。バードと思われる女性「I・B」と通詞イトウの恋が、古い日本の風景や人々とともに生き生きと描かれている。

 「バードが書いた『日本奥地紀行』を読むと、なぜかイトウのことが何度も出てきます。彼は当時、10代です。バードにあこがれを持っても不思議はない。2人が恋愛したのではないかと想像が膨らみました」

 イトウの恋の道行きと同時に進行するのが、郷土史を研究する中学教師と、30代後半の女性劇画家の恋愛だ。きっちりした構成を組み立て、読者を引きつけるのが、この作家の持ち味である。

 1964年、東京生まれ。「書くことが好きで、大学在学中にデビューしようと思っているうちに、就職活動の時期を逃してしまった」と振り返る。日本語学校で事務職を務めたり、出版社で“コギャル雑誌”の編集にかかわったり。紆余(うよ)曲折を経ながら、5年ほどかけて書き上げた『FUTON』を、出版社に持ち込んでデビューを果たした。

 「長編小説は、物語が降ってくるような、自分でもどこに進むのか書いていて分からない楽しさがあります。早く3作目に取りかかりたい。題材を探しています」(待)

(2005年4月1日  読売新聞)

『Futon』

  • 中島京子
    出版社:講談社
    発行:2003年5月
    ISBN:4062118939
    価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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『イトウの恋』

  • 中島京子
    出版社:講談社
    発行:2005年3月
    ISBN:4062127776
    価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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