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空前のスケール 傑作SF

 米航空宇宙局(NASA)のスピッツアー宇宙望遠鏡を使った観測で、土星の周りにこれまで知られていなかった巨大な輪が存在することがわかった。中心から外縁部までの半径は約1250万キロ・メートル。間に地球を1000個近く並べられる。この壮大な輪を描いたNASAの想像図を眺め、米国SF小説の傑作「リングワールド」を思い出した。

 恒星を囲む巨大な輪を地球人と異星人のチームが探検する物語で、輪の半径はなんと1億5000万キロ・メートル。これが実は人工構造物なのである。地球表面積の300万倍もある内壁面に約30兆の人類が暮らしている。誰が何のために造ったのか――。原著は1970年の出版だが、これほどスケールの大きなSFには、その後もお目にかかったことがない。

 リングワールドが力学的に不安定で、いずれ恒星に衝突してしまうことを計算で示した読者がいた。作者のニーブンは、この問題を解決する方法を考え、続編「リングワールドふたたび」を書いた。こちらも前作に劣らず面白い。(一)

 ハヤカワ文庫。940円(税別)

(2009年10月29日  読売新聞)