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法人化 地方大学長の奮闘

 日本の国立大学は5年前、法人化された。国が予算も人員も細かく決める体制から、各大学の判断で経営する体制へと変わった。

 大変だったのは、いきなり経営の責任と権限を持たされた学長たちだ。判断を誤れば大学がつぶれるという重責の一方で、権限の強化には学内の反発が大きい。「落下傘学長奮闘記」は、そんな激動期に岐阜大学を率いた黒木登志夫氏が、自らを主人公にして執筆した。

 黒木氏は、もともと基礎医学の研究者。目標と戦略を明確に持ち、批判や疑問に対してしっかり説明して前進することの大切さは、研究でも経営でも同じのようだ。大学病院の収支改善、文部科学省支配からの脱却など、難問に真正面から立ち向かう姿が気持ちよい。

 この「奮闘記」は、単なる苦労や成功の物語ではない。法人化に便乗して、財務省は大学への交付金を減らし続けてきた。「もう限界だ」という地方大学の叫びが、読後に残る。(満)

 中公新書ラクレ。920円(税別)。

(2009年11月5日  読売新聞)

『落下傘学長奮闘記』

  • 落下傘学長奮闘記
    黒木登志夫
    出版社:中央公論新社
    発行:2009年3月
    ISBN:9784121503107
    価格:¥966 (本体¥920+税)
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