ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
@本よみうり堂メニューです
本文です

出版トピック

太宰が書いた三鷹 33作品から集め、1冊に

 作家太宰治と、太宰が晩年を過ごした東京都三鷹市との結びつきに着目した書籍「三鷹という街を書く太宰治」(はる書房)=写真=が10日、全国の書店に先駆け、同市の太宰治文学サロン(下連雀3)で先行発売される。生誕100年を迎え、太宰関連の書籍の出版が相次いでいるが、同サロンでの新刊書籍の販売は初めて。

 編集・発行は、三木露風や山本有三など、三鷹ゆかりの芸術家たちを研究している「Dioの会」(山梨県北杜市)。同会代表で近代文学研究家の福嶋朝治さん(70)が、同サロンを運営する市芸術文化振興財団の調査に協力してきたことから、サロンでの販売が実現した。

 三鷹駅近くのすし屋で酒をあおるシーン(「鴎(かもめ)」)や、玉川上水の土手で昼寝して夢を見るシーン(「乞食(こじき)学生」)など、33の太宰作品から、当時の三鷹の風景を伝える場面を抜き出し、福嶋さんら3人の研究者が、それぞれ考察している。福嶋さんは「当時の三鷹の姿を知ることで、そこで作品を書き続けた太宰の、作家としての核のようなものを感じてほしい」と話している。

 初版は2000部で、定価1000円。今月下旬から、主要書店で販売される。

(2009年11月10日  読売新聞)