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初の応募作 初々しい喜び

 講談社小説現代長編新人賞の贈呈式が先月27日行われ、受賞の喜びを語った加藤元(げん)さん(36)=写真=は、あまりの緊張に「(用意していたメモの)字が読めません。足も震えて」と語る初々しさだった。

 受賞作『山姫抄(さんきしょう)』は、女たちが山に消えるという伝説が残る田舎町で、スナック勤めの女性が、一風変わった男と暮らし始める物語。男の秘められた過去、閉ざされた村の救いのなさが徐々に明らかになり、読者の背筋を凍らせる。

 初めて文学賞に応募した作品だという。大学では小説創作のコースに在籍したが、なかなか最後まで書き上げられず3年で中退。以後は、スーパーのレジ打ちや宅配便の配達など10種以上のアルバイトを経験し、スナック勤めをしていた際には、小説を書こうとしていた過去を知った客から「ホステス小説家」と呼ばれたこともあったという。

 「いろいろな職を経験したことを生かし、自分が読みたいものでありながら、独りよがりにならない作品を書いていきたい」

(2009年11月10日  読売新聞)

『山姫抄』

  • 加藤元
    出版社:講談社
    発行:2009年10月
    ISBN:9784062158336
    価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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