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出版トピック

畑の害虫を主役に絵本 農家の主婦が2冊出版

写真の拡大「子どもから大人まで、食べることについて考えてほしい」と話す梅田さん
「子どもから大人まで、食べることについて考えてほしい」と話す梅田さん
「子どもから大人まで、食べることについて考えてほしい」と話す梅田さん

 畑の野菜を食い荒らす害虫、ヨトウムシを主人公に、食べることについて考えさせる絵本2冊を、東京都瑞穂町、主婦梅田美枝(よしえ)さん(67)が出版した。農業を営んでいる梅田さんは、「害虫にも命があることや、農薬と農作物について考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 梅田さんは夫と、大根やカブ、ブロッコリーなどを作りながらアイデアを膨らませ、作業後に文章をつづる。2年前、新聞の募集記事を見て、「文芸社ビジュアルアート」に作品を応募。審査員特別賞を受賞したことから自信を持ち、1冊目の出版を決意した。イラストレーターは、同社が用意した。

 昨年3月に発行されたのは「おれは、よとう虫」。「くろくて、毛のない、毛虫のようなかたち。じぶんでいうのもなんだが…まあ、にんそうはわるい」ヨトウムシたちは、生きていくために野菜を食べる。その結果、農家も農薬を使わざるを得ない現状を伝えた。物語は、農家が農薬をまき、死を覚悟するヨトウムシの様子で終わっている。

 続編を作ることにしたのは、朗読ボランティアとして、学童保育の子どもたちに自分の作品を披露したところ、「この後、ヨトウムシはどうなっちゃうの」と聞かれたことから。結末は読者の想像に任せようと思っていたが、これを機に「よとう虫からのてがみ おれと、あおちゃん」を今年10月に完成させた。

 この中で、ヨトウムシが農薬によって仲間たちを失い、苦しんだり、友達になった青虫のあおちゃんに助けられ、元気を取り戻したりする様子が描かれている。

 農薬を使用せざるを得ないが、最低限にしているという梅田さん。「人間は、生き物の命を犠牲にして生きているということを、絵本を通して伝えたい」と話している。

 いずれもA5横判、24ページ、800円(税別)。問い合わせは梅田さん(電話042・557・1344)へ。

(2009年11月20日  読売新聞)