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書評


評・橋爪大三郎(社会学者)、宇野重規(政治学者・東京大教授) この小説はざっくり言うなら、主人公多崎つくるの、喪失と回復の物語である。 (5月20日)[全文へ]


評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) 医療サービスは国民が幸せな生活を送る上で欠かせないセーフティーネットである。それゆえに国民のニーズにできる限り応えるのが病院や行政機関の使命だという一般的な認識がある。ところが現実は甘くはない。過疎化と高齢化が進むなか、医療に無尽蔵に資源をつぎ込める時代ではなくなったからだ。本書は財政破綻した北海道夕張市の病院で5年にわたり医療現場の再建に奮闘した医師の記録である。 (5月20日)[全文へ]


評・平松洋子(エッセイスト) なつかしさ。驚き。発見のよろこび。「消えゆく東京の街角」をテーマに、ひたすら歩きつつレンズを向けた加藤嶺夫の写真には、見れば見るほど現在と過去を結ぶ糸口が無数に見つかる。巻末の「撮影地点地図」もすばらしい。撮影全ポイントを克明に地図上に表示。つまり、本書を手にして新宿を歩けば、実際にシャッターが押されたのと同じ場所に立つことができるという周到な計らいである。 (5月20日)[全文へ]


評・田所昌幸(国際政治学者・慶応大教授) こういう本を待っていた。国際政治と国際経済になにかしらの関係があることには合意できるが、ではどんな関係があるのかということになると見解は様々である。カントやモンテスキューも経済的相互依存によって国家と国家の関係が平和的になると語ったが、他方でそれは摩擦の原因になることもあるし、関係が遮断されるおそれを生んで、むしろ猜疑(さいぎ)心が強まるという議論も昔からある。もっとも新興諸国が台頭する以前は、経済的相互依存はいわゆる先進民主主義国間の現象であり、これらの国々は皆アメリカの同盟国だったから、経済問題が政治問題化することはあっても事実上戦争の考えられない同質的な国家間の関係だった。だが現在の中国は明らかに異質なプレーヤーである。 (5月20日)[全文へ]


評・上野 誠(万葉学者・奈良大教授) 小学校中退の学歴で、東京帝国大学助教授となり、フランス・パリ学士院からパルム・アカデミー勲章を授与された国際的な人類学者、鳥居龍蔵。本書は、その自伝である。前半は、学校に馴染(なじ)めなかった少年の、愛と勇気の物語であり、後半は南島・中国・蒙古を東奔西走する冒険物語である。解説の田中克彦がいうように、学校というものを否定するところから、鳥居の学者人生ははじまる。ただ、読後、私は思った。鳥居はなるべくして大学者になった、のではないか、と。 (5月20日)[全文へ]


評・岡田温司(西洋美術史家・京都大教授) スキンシップの大切さと危うさ、本書を読んでまずそれを感じた。愛情表現にもなれば、逆にハラスメントにもつながる。皮膚は何よりも自他の境界面だからだ。その皮膚感覚がいかにわれわれの感情や思考と連動しているか、分子工学者の著者は、最新の科学的知見を駆使して素人にもわかりやすく説いてくれる。 (5月20日)[全文へ]


評・須藤 靖(宇宙物理学者・東京大教授) 我々ごとき凡人が1万人集まろうと、アインシュタイン一人の天才にはかなわない。科学において自明そうなこの主張はどこまで正しいのか。 (5月20日)[全文へ]


評・杉山 正明(ユーラシア史家・京都大教授) かつて、ロシアなるものについて語ることは、なにによらず、そう簡単なことではなかった。それがこのところ、随分とわかりやすくなってきた。そしてつい先日、中国国家主席の習近平(シージンピン)が、就任後初めての外遊でロシアを選び、プーチンと会談した。両国間での戦略的協力関係に関する共同声明を出したが、プーチンは中国側が欲する尖閣などの領土問題には、明確には触れなかった。 (5月13日)[全文へ]


評・石田 千(作家・エッセイスト) 『赤毛のアン』に関連する本の刊行が続いています。昨年は、日本にアンが紹介されて六十年、今年は翻訳を手がけた村岡花子さんの生誕百二十年という節目。再読のよい機会となりそうです。 (5月13日)[全文へ]


評・尾崎 真理子(本社編集委員) 東京都文京区小石川に建つ、通称ネコビル。猫の顔が壁面に描かれたそこは、立花隆氏の仕事場と書庫を兼ねる、知る人ぞ知る知の拠点だ。 (5月13日)[全文へ]


評・小泉 今日子(女優) 忙しい日々。朝目覚めてシャワーを浴び、バタバタと身支度を整え仕事に出掛けるその前に一冊の文庫本を手に取る。 (5月13日)[全文へ]


評・星野 博美(ノンフィクション作家・写真家) 私たちがふだん何気なく手にしている印刷物の歴史は、15世紀半ば、グーテンベルクが活版印刷術を考案した時から始まった。 (5月13日)[全文へ]


評・松山 巖(評論家・作家) 言葉とは不思議なもの。(つづ)り方次第で人を驚かせたり笑わせたり、泣かせたり怒らせたりすることができる。つまり小説もマジック。 (5月13日)[全文へ]


評・管 啓次郎(詩人・比較文学者・明治大教授) マダガスカルと聞いて地理知らずのぼくが真っ先に思い浮かべたのは巨大なバオバブの木。 (5月13日)[全文へ]


評・角田 光代(作家) 本を読むということはじつに個人的な体験である。本について書かれたこの一冊は、それがどれほど「個人的」な「体験」であるかを雄弁に語る。 (5月13日)[全文へ]


評・畠山 重篤(カキ養殖業) 本の表紙のきれいな魚の絵に()かれ本書を手にとると、タイトルは“多摩川森林組合”……。 (5月13日)[全文へ]


評・上野 誠 日本近代文学館の所蔵する作家、詩人、歌人、俳人の書画のうち、花にまつわる書画を鑑賞するためのアンソロジー。 (5月13日)[全文へ]


評・中島 隆信(経済学者・慶応大教授) このところすっかりおなじみになった東洋経済新報社の「ヤバいシリーズ」第4弾である。 (5月6日)[全文へ]


評・橋本 五郎(本社特別編集委員) 痛快な、実に痛快な小説である。時は尊皇攘夷(じょうい)で騒然たる14代将軍家茂の治世。 (5月6日)[全文へ]


評・開沼 博(社会学者・福島大特任研究員) 数年前、「長期休みに四国遍路をするのが趣味だ」と友人(20代)が話すのを聞いた。 (5月6日)[全文へ]




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