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書評

  • 『アフガン、たった一人の生還』

    マーカス・ラトレル
    出版社:亜紀書房
    発行:2009年9月
    ISBN:9784750509143
    価格:¥2625 (本体¥2500+税)
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 反戦ものだろうと思って読み始めると、大きく裏切られる。手に汗握るアクションもの。主人公マーカスは、米国海軍特殊作戦部隊(SEAL(シール))隊員。テキサスの農場で馬に囲まれて育ち、父親からシールのすばらしさを叩(たた)き込まれ、物心つくと「至上の愛国者のための道」を目指していた。過酷な訓練を耐え抜き、イラクを経てアフガニスタンの戦場へと向かった。

 2005年のある日、マーカスは仲間3人とタリバン勢力下の山地に入った。迷った末、地元民の山羊(やぎ)飼いを殺さずに見逃した彼らは、そのため高い代償を払う。生き残ったのはマーカスただ一人。海の向こうでは、村中の人々が彼の実家に集まり、彼らの息子の生還を祈っていた。そこへ奇跡の帰還を果たす彼は、完全無欠のアメリカン・ヒーローだ。テキサス魂という語の意味を知る。高月園子訳。(亜紀書房、2500円)

評・岩間陽子(国際政治学者)

(2009年11月2日  読売新聞)