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書評

  • 『レポメン』

    エリック・ガルシア著 土屋晃訳
    出版社:新潮社
    発行:2009年10月
    ISBN:9784102173312
    価格:¥820 (本体¥781+税)
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 恐竜が人間社会に混じって暮らしているとの奇抜な設定で書かれた恐竜ハードボイルドでお馴染(なじ)みの作者が、またヘンな話で登場だ。

 今度は、人工臓器が普及したおかげで人間が長寿を得られるようになった時代の物語である。もっとも人工臓器は安いものではなく、購入者は高額のローンを組むことになる。こうなると返済が滞る者も出てくるから、債権者に依頼された取り立て屋(レポマン)の出番となる。

 彼らはローン返済不能者を麻酔ガスで眠らせ、メスで体を切り裂き、心臓でも肝臓でも何でも、人工臓器そのものを回収してしまうから乱暴だ。債務者が死んでも罪には問われない時代なのである。

 そのレポマン稼業を二十年も続けている男がなぜか追われているところから始まる本書は、読み始めたらやめられない面白さが横溢(おういつ)していて、あっという間の一気読みだ。土屋晃訳。(新潮文庫、781円)

評・北上次郎(文芸評論家)

(2009年11月16日  読売新聞)