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書評古谷蒼韻(ふるたにそういん)は今日の日本の書の最高峰に位置づけられる書家である。戦時中の京都師範学校時代から中野越南に学び、俗を断つ僧侶のような生き方に共感するとともに、寂厳らの墨跡や西域出土の木簡残紙の書風をくんで独自のスタイルを確立した。 しかし、個性的な墨跡や木簡だけをやっていたのではともすると書の本筋からそれがちだ。蒼韻はやがて村上三島に師事し、オーソドックスな王羲之(おうぎし)書法を再学習して、粗削りな初期の書を洗練させていった。 本年85歳になる蒼韻の歩みを跡づけた作品集が刊行された。初期から現在までをつぶさに網羅した2分冊からなる重厚なつくり。すぐれた師につきながら、しかし亜流に陥ることなく、あくまで自分の道を手探りしていった「独り学ぶ」の姿勢は、書に親しむ人たちの参考になる。(ビジョン企画出版社、3万8000円)(菅) (2009年11月16日 読売新聞) |
書店員さんがあらゆるジャンルのお薦めの本を紹介する読書日記。
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