現在位置は です

本文です

『あの日からのマンガ』 しりあがり寿著

評・椹木野衣(美術批評家・多摩美大教授)

 三月十一日以降、多くの表現者が自分に何ができるか問うた。が、芸術にできることは少ない。文学や美術、まして演劇や映画では時間が掛かる。

 実は「軽薄」とされるマンガだからできることがあった。『たとえ間違えているとしても、今、描こう』と著者が決意できたのも、そのことと無縁ではない。

 驚きの迅速さで巨大な震災に対応しえたのは、巧みな描写の節約で味を出す「ヘタうま」ならでは。「重厚」さばかりが未曽有の事態を捉えるとは限らない。「軽」さの中で日常と非日常、笑いと(かな)しみ、天国と地獄が「薄」い一冊に凝縮されている。

 (エンターブレイン、650円)

2011年8月8日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ


現在位置は です



編集者が選ぶ2011年海外ミステリー

海外ミステリーが傑作揃いだった2011年。各社担当編集者のベスト5を紹介します。

連載・企画

海外ミステリー応援隊【番外編】 2011年総括座談会
世界の長・短編大豊作…やはり新作「007」、「犯罪」不思議な味、北欧モノ健在(11月29日)

読書委員が選ぶ「震災後」の一冊

東日本大震災後の今だからこそ読みたい本20冊を被災3県の学校などに寄贈するプロジェクト

読売文学賞

読売文学賞の人びと
第63回受賞者にインタビュー

リンク