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    堀川再生願い福島正則像

     「そろそろ、私たちが創立時から抱いていた夢を実らせようじゃないか」

     2年前、名古屋堀川ライオンズクラブ(LC、名古屋市中区丸の内)が来春の創立15周年記念事業について話し合う場で、長老格の長谷川さとるさん(79)はそう呼びかけた。「夢」とは、江戸初期、名古屋市内を南北に貫く堀川を開削した福島正則の銅像を建てることだ。昔のような、きれいな川を取り戻すシンボルに――。そんな願いを込めている。

     夢は形となり、銅像は納屋橋の南側にある堀川左岸の「納屋橋ゆめ広場」に設置し、来年4月の記念式典で除幕することが決まった。堀川に架かる橋の中でも人通りが多く、欄干には福島正則の家紋がはめ込まれていることなどから選ばれた。

    ■30センチの原型完成

     名古屋城下と熱田港を結ぶ約6キロの堀川の開削は1610年(慶長15年)か、その翌年とされる。総奉行として工事を指揮したのが、現在のあま市出身で、広島49万石の大名だった福島正則だ。堀川はその後、名古屋の暮らしと産業を支える大動脈となった。しかし、福島家が間もなく幕府によって取りつぶされたこともあって、功績がたたえられることはなかった。

     同LC15周年実行委員長の徳永東三さん(74)は「正則は名古屋の大恩人だが、多くの市民はそのことを知らない。銅像でまず歴史に興味を持ってもらえば、かつての美しい堀川再生への関心を高めることにもつながる」と意義を強調する。

     ところが、堀川の岸辺へ銅像を建てる案は、名古屋市にはねつけられた。一度許可すれば、無秩序にあちこちへつくられかねないからだ。「交渉の中で、ベンチを設置するということでようやく市の内諾を得た」という。腰掛けとなる石の上に像が立ち、「福島正則公がたたずむベンチ」とした。説明板は背もたれになる。

     ここから計画は具体的に進み始めた。正則の生誕地に近い、あま市の寺「菊泉院」など各地に残る肖像画を添えて、富山県高岡市の老舗の鋳造会社に発注。今年春には実物の7分の1ほど、高さ約30センチの原型が出来上がった。右手の采配を高く上げ、堀川の開削工事を指揮している姿を表現。「りりしく、賢く、それでいて正則らしい頑固な表情」とLC会員は喜んだ。現在は実物大の原型を粘土で作っている段階で、年内にも高さ約2メートルのブロンズ像が完成する。

    ■歴史伝える狂言も

     同LCは「堀川浄化・美化」を唯一の活動目標として誕生した。毎年、エコロボットコンテストや堀川1000人調査隊など、浄化に絡んだ活動を続けている。

     創立10周年記念の際には、「名古屋を支え、同時に庶民に愛されてきた堀川の歴史を知ってほしい」と、作家やまかわさとみさん(55)(津島市)に堀川絡みの新作狂言を依頼した。江戸時代、町民総出で行われたしゅんせつの史実に、妖怪を登場させた狂言「冥加みょうがさらえ」は、記念公演後も何度も上演された。「堀川の歴史を背景にした文化遺産が誕生した」と長谷川さんは喜ぶ。

     除幕式当日は、河川敷に仮設の舞台を作り、あま市の子どもたちも参加して堀川や正則ゆかりの狂言を上演するプランも検討中だ。

     徳永さんは、400年の時を経て戻ってくる正則の雄姿とともに、美しい流れも取り戻し、納屋橋が「水辺を楽しめる街」としてさらに発展することを期待している。(千田龍彦)

    2017年07月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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