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    「和平への大きな一歩」 朝鮮戦争経験の金さん

     トランプ大統領が会談後の記者会見で朝鮮戦争終結への期待感を示したことについて、朝鮮戦争中の韓国で同胞が争う姿を見た名古屋市千種区の金龍鐘キムヨンジョンさん(83)は「和平への大きな一歩。首脳たちには戦争終結に向けて力を尽くしてほしい」と喜んだ。

     金さんは1935年、大阪市で在日朝鮮人の両親の元に生まれた。9歳の時、両親とともに日本占領下の朝鮮半島へ。50年6月の朝鮮戦争開戦時は南部の木浦モッポで暮らしていた。

     まもなく木浦にも北朝鮮の朝鮮人民軍が侵攻。戦闘で犠牲になった遺体が道端に残されているのを目の当たりにした。米軍を中心とした国連軍が反攻に転じると、木浦を奪い返しに来た韓国兵から銃を突きつけられたり、上空から機銃掃射を受けたりした。通っていた中学校では、右翼系の学生らが、北朝鮮に同調したとみなして校長を刺殺したり、ほかの学生を暴行したりするなど大混乱に陥ったという。金さんは「諸外国に翻弄ほんろうされ、半島が分断された末、同じ民族が殺し合うことになってしまった。当時は何が正しいのか分からなかった」と振り返る。

     戦争を逃れて日本に戻った金さんはその後、日本人の妻と結婚して4人の子供をもうけるなど平穏な暮らしを手にしたが、ずっと2国間の和平を願っていた。「課題も多いだろうが、対話を積み重ねて、早く板門店パンムンジョムで終戦宣言をしてほしい」と期待を込めた。

    2018年06月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
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