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    民泊解禁 期待と懸念 規制多く申請低調

     マンションなどの部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」が15日、解禁される。東海地方でも物件の所有者が名乗りを上げる一方、様々な規制を嫌って敬遠する向きも。自治体は、法令に基づかないヤミ民泊の監視や指導を徹底するとしている。(池田寛樹)

    • 家主の女性が民泊に向け準備を進めている部屋(愛知県春日井市で)=橘薫撮影
      家主の女性が民泊に向け準備を進めている部屋(愛知県春日井市で)=橘薫撮影

     「解禁翌日が、ナゴヤドームであるアイドルグループ・AKB48のイベント『総選挙』の日。いいスタートが切れそう」

     名古屋市で民泊などを代行する「スリーハンドレッド」の志摩恭平社長(31)は、そう話す。16日は市内の約40室が予約で埋まった。志摩社長は「名古屋は岐阜・高山や三重・伊勢といった観光地にも近い。民泊を利用する外国人観光客は、ますます増える」と期待する。

     市観光推進室によると、市内には宿泊施設が約340あり、2012~16年度の定員稼働率(推計)は63・2~72・9%。市内でイベントがある日は予約が取れないことも多いといい、民泊の需要は高いとみる。

     同市北区の岩田一正さん(68)は、近くで所有する長屋の一室約30平方メートルを約250万円でリフォームし、5人が泊まれるようにした。1泊約1万円に設定し、インターネットの仲介サイトで宿泊を募ったところ、海外から予約申し込みが相次いだ。愛知県春日井市の女性も自宅の一室を民泊用に改装し、「快適に過ごしてもらいたい」と言う。

     一方、住宅宿泊事業法(民泊法)には住民とのトラブル防止や、営業日数の上限(年間180日)など、様々なルールが多い。このため、「赤字になる」と尻込みする人もいる。

     愛知県の説明会に出席した不動産業者は「規制があまりに多いので諦める」と話した。「施設の清掃費や光熱費などを考えると、営業できるのが1年の半分では利益が出ない」と言う。

     営業エリアや期間を条例で規制する自治体もあり、名古屋市は住居専用地域について、月曜正午~金曜正午(祝日とその前日は除く)の営業を禁止。このためか、届け出は46件、受理は16件(8日現在)と低調だ。

     市環境薬務課の担当者は「仲介サイトには一時、約500件が掲載されていたが、法の基準に準じていないところは、大半が撤退するのでは」と推測する。

     愛知県は昨年度、県内で約700件の民泊が仲介サイトに登録していたことを確認。同様の登録は岐阜県で約230件、三重県で約150件に上る。

     ただ、受理された届け出は愛知24件、岐阜8件、三重15件にとどまっており、各自治体は、届け出ないまま「ヤミ民泊」に移行する物件がないか警戒。愛知県生活衛生課の担当者は「安全・安心な民泊が行われるよう、指導していく」と話している。

    2018年06月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
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