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    手すき和紙職人の動作、デジタル化し解析・伝承

    • 信一郎さん(右)の動きを撮影する学生たち(島根県松江市八雲町で)
      信一郎さん(右)の動きを撮影する学生たち(島根県松江市八雲町で)

     手すき和紙「出雲民芸紙」職人で人間国宝の安部栄四郎(1902~84年)を顕彰する公益財団法人・安部栄四郎記念館(島根県松江市八雲町)は、松江高専、島根大と協力して、手すき技術をデジタル化して保存・伝承する取り組みを始めた。

     熟練度の違う職人の動作の解析とデータ化を今年度内に行い、紙すきで重要な動きを明らかにする。19日、同高専の准教授らが同館で職人の動きを撮影した。

     同高専の片山優准教授(制御工学)と研究室の学生4人が、「モーションキャプチャーシステム」を使って動作を解析し、職人の様々な動きを数値化。記念館はそのデータを利用して和紙をすくロボットを作ったり、後進の職人の育成に役立てたりする。

     この日は学生らが、栄四郎の技術を伝承する孫で同館理事長の信一郎さん(65)の体10か所に動きを捉える「マーカー」を取り付け、目の動きや簀桁すげたの動きを捉えるセンサーも取り付けた。

     信一郎さんが6枚の和紙をすき上げる動きを、周囲に置いた8台のカメラで撮影。職人歴40年以上の信一郎さんと比較するため、同様の方法で約10年の経験を持つ弟子の動作も撮った。

     また、島根大総合理工学部の吉延匡弘准教授(天然繊維材料学)が、今後、すき上がった和紙の強度や光の透過性などを解析し、職人の動作と品質の連動性を分析する。

     片山准教授は「言葉で伝えるのが難しい職人の研ぎ澄まされた感覚を数値化したい。データを使えば、よりわかりやすく技能を伝えられるようになる可能性がある」と意気込んだ。

     信一郎さんは「緊張はしたが普段通りの動きはできた。どんなデータができるか楽しみ。紙すき職人を目指す人に役立つものになればうれしい」と期待していた。

    2017年05月20日 08時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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