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    文化庁から「日本遺産」に認定された全国各地の文化財・伝統芸能をご紹介します。
    東北

    未来を拓いた「一本の水路」-大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡郡山・猪苗代-【福島】

     【概要】明治維新後、武士の救済と、新産業による近代化を進めるため、 安積 ( あさか ) 地方の開拓に並々ならぬ想いを抱いていた大久保利通。夢半ばで倒れた彼の想いは、郡山から西の天空にある猪苗代湖より水を引く「安積開拓・安積疏水開さく事業」で実現した。奥羽山脈を突き抜ける「一本の水路」は、外国の最新技術の導入、そして、この地域と全国から人、モノ、技を結集し、苦難を乗り越え完成した。この事業は、猪苗代湖の水を治め、米や鯉など食文化を一層豊かにし、さらには水力発電による紡績等の新たな産業の発展をもたらした。未来を拓いた「一本の水路」は、多様性と調和し共生する風土と、開拓者の未来を想う心、その想いが込められた桜とともに、今なおこの地に受け継がれている。
    <2016年4月認定。以下は、認定申請書類から引用>

    安積原野へは流れない、あこがれの湖

    • 猪苗代湖
      猪苗代湖

     郡山(安積地方)から西の天空(標高514m)にあり、豊富な水を(たた)え、天を映し出す鏡のような美しい湖、猪苗代湖。郡山には、「猪苗代湖の水を安積原野へ」という疏水開さくの構想が江戸時代から存在していた。枯渇した原野が広がり、人々は水を巡って争い、雨乞いや豊作の思いを込めた花火を打ち上げ、祈りを捧げていた。しかし、猪苗代湖の水は西側へのみ流れ、奥羽山脈がそびえる東側の安積原野には流れなかった。加えて水利の問題があり、疏水開さくは夢物語であった。

    2017年03月31日 11時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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