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    強く、かつ華やかに、特撮美熟女が大集合

    • 喜八さんと美熟女部の戦い?
      喜八さんと美熟女部の戦い?

     私が留学先のアメリカで、プラトンだのマックス・ウェーバーだのを英語で読まされて塗炭の苦しみを味わっていた1980年代、日本のスーパー戦隊界では、ヒロイン文化が花開いていました。84年の「超電子バイオマン」で、それまでの紅一点から女性戦士が2人になったことで、女性戦士はそれまでのステレオタイプな女性の立ち位置から一歩進み、華やかに、強く、そして時にコミカルに活躍し始めたのです(詳細な分析については拙著『昭和特撮文化概論 ヒーローたちの戦いは報われたか』をお読みください、笑)。

     ここ数年、そのヒロインたちと、ありがたいことに、急速に親しくなりました。仲良くなってふと気付くと、「なんだ、全員ほぼ同い年じゃん!」。そこから、バイオマンの牧野美千子さん、田中澄子さん、チェンジマンの大石麻衣さん、マスクマンの永田由紀さんという、元ヒロイン4人と党首の不思議な女子会が開かれるようになり、そこで叩いた軽口から「特撮美熟女部祭」が生まれたのです。ま、あとでみんなで「自ら名乗るなら微熟女でよかったんじゃ?」と話しましたが、後の祭り。言ったもん勝ちということでよろしくお願いします。

    • 特撮美熟女部の名乗り
      特撮美熟女部の名乗り

     そんな、とっても言いにくい「トクサツビジュクジョブマツリ」は、ネイキッドロフトのイベントでおなじみ、植村喜八郎さんの「喜八劇場」からスタートです。やられかける私を助けに登場するヒロイン4人。喜八さんとの華麗な殺陣! そこで「あれ、今日の私は、サーモンピンクで(オーレンジャー、宍戸隊長命名)、美熟女部戦隊の一員だったわ。一緒に戦わなくては!」と覚醒する私。そこで全員で「名乗り」をやって、正拳突きをする、という、こうやって書いていくと「何のこっちゃ?」という小芝居です。アドリブ飛ばしまくりで盛り上げてくださった喜八さん、ありがとうございました。

     一部のゲストは、ヒロインといえばこの人、の蜂須賀祐一さん、そしてJAEの中でも珍しい4人のヒロイン全員と一緒に仕事をした石垣広文さん。

     蜂須賀さんからは、「それって企業秘密じゃ」というくらい、いろいろとヒロインを演じるにあたってのポイントを教えていただきました。ポイントは重心、そして、ひじとひざですってよ、奥さん。そうか、それで私はいつも(たくま)しいおっさんみたいに写真に写っていたのか、とこの年になって開眼です。そして、美熟女全員、その場で試す試す。でも、なかなか蜂須賀ヒロインのように可憐(かれん)にはならない。さすがの職人技、蜂須賀マジックです。ぜひ蜂須賀兄弟祭を開催したい!

     石垣さんからは、バイオマン時代のレアなストロング金剛さんのお写真なども見せていただき、聞かせていただいたお話もなかなかストロングなものでした。ところで、この日、リハから参加してくださった石垣さんは、美熟女部の名乗りポーズも監修してくださったんですよ(途中からは、「ヤレヤレ……」という風情でしたが、笑)。

    • 蜂須賀さん登場
      蜂須賀さん登場
    • 石垣さん登場
      石垣さん登場

     そして、このお二人にこのタイミングで来ていただいたのが、実に神ってました。続いてのコーナーは「美熟女選定ヒロイン名場面」コーナーなのですが、トップバッターの澄子さんが選んだのが、自らの初登場シーン。初登場直前、美千子さんがメカクローン(戦闘員)にボコボコにされます。メカクローンは誰がやるの、という話になっていたのですが「あ、ちょうど現場にいたお二人がいた!」となったのです。そこで、とっても贅沢(ぜいたく)なボコられるひかる。というか、石垣アクション監督が殺陣をつけてしまい、美千子さんが「手が多い!」と悲鳴を上げることに。でも、本番ばっちりでした。

    • 石垣さんがつけた殺陣
      石垣さんがつけた殺陣
    • 初登場場面の「ジュン」
      初登場場面の「ジュン」

     続く由紀さんは、洗脳されたふりをしてヒロイン2人が女盗賊になる場面。キロス役は、これまた、この日のリハで突然、指名されてしまった林潔さん。私のモモコのへっぽこ芝居に対して、見事にキロス様になっていました。

     次が大変、麻衣さんは、あの七変化を再現です。さすがに、生なので、暗幕を澄ちゃんと由紀ちゃんが持って、大騒ぎ。この日使った花嫁ブーケとシスターの十字架は、麻衣さんが手作りしてくださったんですよ。

    • 女盗賊たちと「キロス」の林さん
      女盗賊たちと「キロス」の林さん
    • 七変化をやるのは大変
      七変化をやるのは大変

    • 美潮「ブレイン」とひかるたち
      美潮「ブレイン」とひかるたち

     そして、ラストは美千子さんとブレインの別れの名場面。ほんと、すみません。ブレイン役はご指名を受け、私が。リハでは、目が合った瞬間、2人とも吹き出してしまって、もう大惨事でしたが、本番はなんとか乗り切ったかな、と。

     最初、この名場面再現を思いついた時は、半信半疑だったのですが、思った以上に、目の前でホンモノがあの台詞(せりふ)を言ってくれるというのは、うれしいものでした。

    • 歌う美千子さんと川瀬さん
      歌う美千子さんと川瀬さん
    • 恋ダンスには喜八さんにもヘルプ参加してもらいました
      恋ダンスには喜八さんにもヘルプ参加してもらいました

     このあと、全員がヒロインソングを熱唱。さらに、私のリクエストで、美千子さんにはアイドルデビューの「テラスでデイドリーム」をお願いしました。この曲、カラオケがありません。さらに、美千子さんが持っているのは今はなきドーナツ盤。でも、どうしても歌ってほしい私。そこで、Z旗の川瀬智さんにお願いしました。お願いした、はいいけれど、お送りする音源がユーチューブしかないというとんでもなさ。当然、生ギターで歌うのは初めての美千子さん。だけど、改めて、これいい曲だったのね、と思わされました。無理にやってもらってよかったです。

     休憩を挟んでの第二部は、部活としての恋ダンスからスタートです。とほほです。ダンスがうまい由紀ちゃんとか、さすがの身体能力の澄ちゃんや麻衣さん、さらに本番が一番うまくいったという美千子さん。4人はともかく、私、この間、影山ヒロノブさん自伝の聞き書き、9万字を抱え、「ダンスをやれば原稿があがらぬ。原稿をやればダンスができぬ」という崖っぷちに立たされておったのでした。幸い、先日のマスクマンイベントの打ち上げで、あの新堀和男さんから、名言「美潮、ダンスなんてのはな、完璧にやるか、いいかげんにやるかしかないんだ」を頂きましたので、もちろん、後者で頑張らせていただきました(爆)。

     二部、最初のゲストは、「いけにえ」とも言います。平成戦隊から、ニンニンジャーのアカニンジャー、西川俊介くん。若いイケメンの登場に、なんかデレる舞台上。そうか、これが赤祭でヒロインが入ってきた瞬間のオジサンたちの反応なのか、となんか、納得してしまいました。

    • 西川くん登場
      西川くん登場

     世代的には息子のような、若いレッドと昭和ヒロインのトーク。たまらんもんがありました。そもそも、西川くんの母、50歳の衝撃! もう立ち直れません(笑)。一番盛り上がったのはトイレ話とメイク室問題ですかね。昭和の戦隊では、ヒロインたちのメイクをしてくれる人はいなくて、皆、ドーランを渡されるだけだったそうです。さらに美千子さんいわく「メイク室にあるのは、やっすい化粧水とメイク落としだけ。ヘアメイクさんはおろか、ドライヤーもなかった」と。これに対して西川くん、「ドライヤーがないメイク室っていったい……????」。そりゃそうだ(笑)。今は、ちゃんとメイクさんが専用のメイク室でメイクをしてくれるそうですけれど、麻衣さん「当時はトタンの建物で歩くと揺れる階段で……」に、西川くんは「と・た・ん???」と。そうか、トタンが伝わらない世代か(爆)。

     ロケ先でも、昭和では、昼など決まった時間に「トイレバス」が出て、民家のトイレを借りていたそうです。一方、西川くんの時代になると、ロケバスが冷暖房はもちろん、トイレ完備です。「え? でも、バスが出ない時にトイレに行きたくなったら?」と私が聞いたところ、美千子さんのオトコマエな一言「え? 草むら!」。さすが、ねえさん、一生ついて行きます(笑)。

    • みんな、西川くんから花をもらい、デレている
      みんな、西川くんから花をもらい、デレている
    • 西川発言にいちいち大騒ぎ
      西川発言にいちいち大騒ぎ

     そのいけにえ・西川くんと入れ替わりに登場したのは、平成ヒロインズ、ギンガマンから宮澤寿梨ちゃん、メガレンジャーのたなかえりちゃん、カクレンジャーの広瀬仁美ちゃん(美熟女は彼女を「鶴さん」と呼ぶので、名前間違えてスミマセン)、ジェットマンの岸田里佳さん。舞台上の全員が、この日のために作った「Bijukujobu」Tシャツ姿です。デザインしてくれたのは、澄子さんのお嬢さん。「美熟女」なんて漢字で書いた日にゃ、お客さんが誰も着ることができないので、漢字以外で、とお願いしたところ、ご覧のようにスーパー可愛(かわい)いデザインをあげてくれました。舞台上がピンク一色なのも、女の園、という感じでステキです。

    • 寿梨ちゃん
      寿梨ちゃん
    • えりちゃん
      えりちゃん

    • 鶴さん
      鶴さん
    • 里佳さん
      里佳さん

     ここでは、西川くんが残した「お風呂バス」問題が俎上(そじょう)に上りました。転がったり戦ったりして汚れたキャストを、近隣のお風呂に運ぶというお風呂バス。これに対し、「お~ふろばすぅ~?」とキレる美熟女たち。「頭から砂が出たりしたじゃん、昔は」という澄子さんらに対し、うなずくヒロインズなのですが、えりちゃんだけは「え? そんな砂なんか出ないっすよ」と否定。え、メガは特別なのか、と思ったら、撮影場所が都会が多く、転がる場面が少なかったと。爆破を走り抜ける場面についても「うちら高校生だから、ないないない」と全否定でした。ちなみに、ここでも西川くんは大人気で、あちこちで「うちのレッドがあれだったら……」というつぶやきが漏れていたことをご報告しておきます(笑)。

     衣装についての文句とか、撮影所にいた猫のぽん太が食わない弁当のこととか(どう考えても、昭和に撮影所にいた猫と平成の猫は別世代ですが)、ガールズトークはかしましく続き、党首は何度も「発言は1回に一人ずつ!」と叫んでおりました。

    • 松原くん登場
      松原くん登場

     この女子まみれのステージ上に降臨したのは、王子、松原剛志くん。ゴーカイを歌い、鶴さんらをうっとりさせ、キュータマダンシングをヒロインズたちと一緒に踊る王子。王子の華麗なターンに舞台上から上がる悲鳴。見事なステージングでした。なんだか全てが赤祭を反転したような、そんなステージ上の盛り上がりなのでした。

     最後は、西川くん、「緑1点」の喜八さん、そしてヒロインオブヒロインの蜂須賀さんにも参加していただき、それぞれの名乗りからの「美熟女部戦隊」ポーズで、さらなる大盛り上がり。オーラスには、松原王子が普段はドットアール10人くらいと歌う『ヒーローゲッター』の2016バージョンを一人で歌うという離れ業を披露してくれて、第1回(!)特撮美熟女部祭は幕を閉じました。たぶん、たぶんですが、来年、パワーアップして戻ってきますので、お楽しみに!

    • キュータマ! なんか、松原くんがカルチャースクール講師みたいになってます 
      キュータマ! なんか、松原くんがカルチャースクール講師みたいになってます 
    • 客席で飲んでいた辻井啓伺さんも引っ張り出されました
      客席で飲んでいた辻井啓伺さんも引っ張り出されました

    • なんと、里佳ちゃんはジェットマン体操を!!!
      なんと、里佳ちゃんはジェットマン体操を!!!
    • ヒーローゲッターの歌詞にいちいち「私!」と大騒ぎ
      ヒーローゲッターの歌詞にいちいち「私!」と大騒ぎ

    • 「ここ、あなた、あなた!」と騒ぐヒロインたち
      「ここ、あなた、あなた!」と騒ぐヒロインたち
    • 「また来年も」と挨拶(あいさつ)する党首
      「また来年も」と挨拶(あいさつ)する党首
    2017年11月24日 11時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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