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    喋って歌って戦った「イカ太郎」…石垣祭

     皆様、大型連休は楽しまれましたか? 党首は久々、自分のイベントもなく静かな連休でした。休みをはさむと、なんだか遠い昔のような気がしますが、連休前の4月半ば、元JAE、戦隊やライダーのスーツアクターやアクション監督を務めた石垣広文さんの石垣祭をやってきました。

    2000年まで信じていた

    • 面白エピソードを語る石垣さん
      面白エピソードを語る石垣さん
    • 笑う石垣さん
      笑う石垣さん

     山形県の「本当に田舎」に生まれた石垣少年。幼少期を振り返って「餅は飲み物だと思っていた」と、いきなり名言が飛び出します。米どころの東北らしく、よくお餅を食べたそうですが、当時、地元では「餅はのどごし」と言われており(本当か?)東京に来るまで「餅は飲むものだと思っていた」そうです。

     栴檀は双葉より芳し、で、幼少期から川で我流で泳いでいたそうで、中学の時には県で4位になったり、高校時代にはインターハイにも出場しました。水泳選手としての将来を嘱望されており、いったんは某大手企業に就職が内々定するのですが、ある日突然「一生水泳をするのはしんどくてイヤだ!」と思い、断ってしまう。当時を振り返って「あまり進路について真面目に考えたことがなかった」と語る石垣さん。その理由を尋ねると「ノストラダムスの大予言を信じていたから」と、予想だにしない答えが返ってきました。まさか21世紀の今、ノストラダムスの予言を信じていた人とトークイベントをやることになるとは、といささか驚愕の党首。皆様ご存じのように、ノストラダムスは1999年で世界が滅びるという予言をしていました。そこで、石垣さんに「いったいいつまで信じていたんですか?」と聞いたら、真顔で「2000年の1月1日まで」と即答されました。いやー、ガチだわ、この人(笑)。

     そんな中、芽生えた将来の夢は「アメリカに行きたい」というもの。でも、なんといってもガチの人ですから、ここでもその理由が半端じゃございません。「知人から、北米では鮭(さけ)だけ食べてイクラを捨てていると聞かされ、そのイクラを輸入すれば大金持ちになれると思った」というのが動機だったのだそうです。つっこみどころ満載のサクセスストーリーというか、絵に描いたような夢物語というべきか……。

    • 歌う石垣さん
      歌う石垣さん
    • 横山さんとデュエットする石垣さん
      横山さんとデュエットする石垣さん

    「イカ太郎」誕生

     「スタントマンになってお金を貯めてアメリカに行ってイクラを……(以下、上の話が続く)」というレアな志望動機ではありますが、石垣さんはJAC(ジャパンアクションクラブ、JAEの前身)に入ります。最初のお仕事は太陽戦隊サンバルカン時代の後楽園から。当時の後楽園のショーはだいぶスパルタだったそうで、足の靱帯を傷めて申告したら「おう、2、3日休め」と言われたそうな。もちろん靱帯はそんな短期間では治りません。そこで考案したのが「痛めた片足を着かない走り方」とか「片足をできるだけ着かない蹴り」とかでした。素人が聞くと「はあ?」なんですけれど、この話に「あるある~」と頷くヒーロー席のJAC勢の皆さん。そこ、共感するところなんだ、と驚かされました。

     石垣さんのニックネームとして有名な「イカ太郎」の源はこの頃にあって、ショーで、右も左もわからない新人時代、突然「イカルス星人にはいれ!」と言われたことからなんだそうです。かつて、ミスアメリカのスーツアクトレスだった小野寺えい子さんのご自宅(ということは、当然喜多川務さんのご自宅)に遊びに行った時、まだ小さかったえい子さんのお子さんが石垣さんのことを「イカちゃん」と呼んだことがあったそうです。石垣さん自身はそれほど抵抗がなかったのだけれど、えい子さんが大人を「ちゃん」呼ばわりすることに怒って息子を叱ったのだそうです。「イカちゃんじゃないでしょう!イカ太郎さんでしょう!」と。あれれ?(笑)

     大戦隊ゴーグルVと宇宙刑事ギャバンからは、テレビの撮影現場にも行くようになります。タコとかサザエとかの仰天エピソードも語られましたが、ま、そのあたりは来た方だけのお楽しみ、ということで。

     ちなみに、スポーツ万能に思えるスーツアクターの皆さんですが、こういうイベントをやっていて驚くのは、泳げないという方が意外に多いのです。そんな中、水泳の名手の石垣さんは、もちろん重宝され、歴代レッドを演じ「ミスターレッド」の異名をとる新堀和男さんの代わりに面をかぶって飛び込むなどされていたそうです。「でも、電撃戦隊チェンジマンの時、1回だけ面をつけた新堀さん本人が飛び込んだことがあった」と振り返る石垣さん。飛び込んだのはいいけれど、いわゆる溺れそうな人の典型として、水の中で暴れる暴れる。暴れついでに面を脱がせにいった石垣さんの頭を水中に押さえ込むので「こっちが溺れそうで大変だった」とのことでした。

     なんだか、面白エピソードの連続みたいになってますけれど、伝説のアクション監督・山岡淳二さんと親しかった石垣さんからは、山岡さんについての真面目なお話も聞くことができました。山岡さんは、戦隊ではいつも「怪人が毎回の主役だ」といってアクションをつけていたそうです。当たり前のことのようですが、そこを意識していたからこそ、山岡戦隊の怪人は、「やられるエキストラ」を超えた存在感があったのだ、と今更ながら思わされました。

    お前の考えは360度違う!

    • 寸劇の台詞を読むため、シニアグラスをかけて挑む卯木さん
      寸劇の台詞を読むため、シニアグラスをかけて挑む卯木さん
    • 利道さんの熱演に、喜八さんも思わず笑顔
      利道さんの熱演に、喜八さんも思わず笑顔

    • アクション!
      アクション!
    • 喜八さんも戦う
      喜八さんも戦う

     この日の喜八劇場では、そんな石垣さんが書いてきた撮影現場の実話の数々が、植村喜八郎さんや卯木浩二さん、高橋利道さん、ショッカーO野さんによって演じられました。なまりがきつすぎた東條昭平監督とか、雲やヤドカリの映像ばかりとっていてなかなかアクションにいきつかなかった長石多可男監督とか、楽しいエピソードがいっぱいです。

     ここでも秀逸だったのが新堀さんエピソード。かつて若手と飲んでいて監督の方針と若手の考えが違う、というところでヒートアップした新堀さん。「お前の考えは、監督と360度違うんだよ!」と言い放ち、「え?それじゃ1周戻って同じでは」と全員が絶句してしまったという実話でした。この話は関係者の間ではわりと有名なのですが、今回、新たなエピソードも登場。春田純一さんが同じような状況になった時には「お前の芝居は380度違う!」と言われたそうな。これなら1回戻って20度違う、ということになりますね(なるのか!?)。

    • 「君だけに」
      「君だけに」
    • 「君だけに」その2
      「君だけに」その2

     喜八さん、卯木さんと石垣さんには「君だけに」を振り付きで歌っていただくという課題もクリアしてもらいました。振りが妙にキレがよく、カッコよかったです。もちろん、愛の正拳突きでは会場に駆けつけた特撮美熟女部の皆さんにも参加していただき、名乗りメドレーでは会場に駆けつけたヒーローの皆さんにもお手伝いいただき、さらに歌のメドレーでは「絶対来てくれると私が勝手に信じていた」佐藤健太さんにも歌っていただきました。皆様、ありがとうございます。石垣さんには、(しゃべ)って歌って戦っていただき、そのうえ、得意のイラストの腕まで披露していただく盛りだくさんな内容の石垣祭でした。

    • 名乗る石垣さんと見つめるヒーローヒロインたち
      名乗る石垣さんと見つめるヒーローヒロインたち
    • 信達谷圭さんも駆けつけた
      信達谷圭さんも駆けつけた

    • 佐藤健太さんも歌う
      佐藤健太さんも歌う
    • 石垣画伯がその場で描いた似顔絵。だーれだ?
      石垣画伯がその場で描いた似顔絵。だーれだ?

     次回は6月14日、バトンは横山一敏さんに回りました。どんなお話が出てくるか、楽しみであります。

    2018年05月09日 09時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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