宍戸勝 ヒーローの新たな挑戦

敏いとうとハッピー&ブルーの一員になった宍戸勝さん(右から3番目)。よく、ネクタイが地味すぎる、と言われるそうだ
2時間ドラマや時代劇で活躍している俳優の宍戸勝さんは、「超力戦隊オーレンジャー」(95年、テレビ朝日系)のレッド出身。
もともと歌が好きだったので、レッドに決まった時、主題歌を歌いたいとプロデューサーに直訴した。しかし、提出したデモテープの曲目は、元気な戦隊モノの主題歌とはあまりに異質なムード歌謡の「そして…めぐり逢い」。「何か勘違いしてない?」の一言とともに却下された過去を持つ。
その宍戸さんが、長年の夢をかなえ、ついに歌手デビューした。ムード歌謡の老舗、敏いとうとハッピー&ブルーの一員となったのだ。
きっかけは、今回も直訴。年明け、敏さんに手紙とデモテープを送ったところ、今度は見事合格。すぐに敏さんから連絡があり、翌週には写真撮影、翌々週にはテレビ出演と、トントン拍子に話が進んだ。そして、このほど、新曲「湘南物語」のメーンボーカルとして、歌手デビューを飾った。
同じ「表現」の仕事とはいえ、初めての歌手業には戸惑うこともたくさんあった。まず、歴史のあるグループだけに、覚えるべき歌が多い。「台詞(せりふ)なら覚えられるのに歌詞だと……。1週間、睡眠2時間で歌詞を暗記しました」と宍戸さん。
ムード歌謡特有のコーラスも初めての経験だ。「チュッチュルッチュー」や「ワワワワー」など、これまで発したことのない音声なので、最初はなかなかサマにならなかった。さらに、客層もヒーローショーとはがらりと変わり、中高年の女性がメーン。当然、反応も違うので、最初は戸惑ったそうだ。
苦労も多いが、「これからは歌手としてもお客さんに夢を与えていきたい」と語る宍戸さん。今の夢は、オーレンジャーを見ていた子供たちが、自分の歌を聞きに来てくれることだそうだ。
ヒーローの新たな挑戦を応援したい。
| プロフィール | |
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鈴木美潮 すずき・みしお
読売新聞東京本社文化部記者
1989年入社。横浜支局を経て政治部。官邸、社会党、外務省などを担当後、Yomiuri Weekly編集部に。2002年から政治部で保守新党、自民党などを担当。美空ひばりと特撮ヒーローの熱狂的なマニア。
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