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女の子に輝きを和装研究家 泉水俊江さん 51
木更津市の漁師の家に生まれた。幼いころ、街にはまだ呉服店があふれ、学校帰りに店に並ぶ着物を眺めるのが日課だった。夏になると浴衣を着ては盆踊りに出かけた。1着しか持っていなかったが、日焼けした肌に際だつ白地が、自分をきれいにしてくれているようだった。 着付けを本格的に学び始めたのは33歳の時。数年で大手着物教室の講師になり、講習やショーで各地を駆け回った。大好きな着物に接し充実していたが、46歳の時、舌がんが見つかった。翌年には首のリンパ節への転移もわかった。 「再発したら……」。着物教室を離れ、自分のペースで和装の道を進むことを決めた。 公民館での着付け教室に呼ばれれば行き、高校の文化祭にも顔を出す。ほとんどがボランティアだ。時には海外にも出かける。 夏が近づくと「浴衣を教えて」と訪ねてくる女子高生らが増える。「だれからもらった浴衣なの」「どんなふうに着たいの」。着付けを教える前には、必ず浴衣への思いを聞く。思いのままに着てほしいからだ。 「安らぎを与えてくれる道具」。浴衣をそうとらえている。だからこそ、「着付けを覚えて自由自在に着こなしてほしい」と願う。 浴衣の帯は単純な蝶(ちょう)結び。蝶の羽の長さを変えたり、帯の裏地を出したりして、それぞれの「粋な着方」を創造するのだ。 「いつの時代も女の子は着物を着てみたいもの。今はチャンスがないだけ」と見ている。だから、夏は和装を試す絶好の機会だ。 今年も夏祭りシーズンが訪れた。色とりどりの浴衣に身を包んだ若者がうちわ片手に街を歩く。「着付けを覚えた若い人に、次の夏も浴衣で迎えてほしい」と願わずにはいられない。
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