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<4>「綱渡り」 建設業者悲鳴

県、助け舟も先行き不透明

国と県の予算で行われる国道197号のバイパス工事。減る一方の公共工事は、建設業者による奪い合いとなる(八幡浜市で)

 「仕事と言っても倉庫の片づけぐらい。そんな仕事すらない月もある」

 八幡浜市内の建設会社社長は、半ばあきらめたような表情で話した。「最低制限価格ぎりぎりで応札する。赤字になっても従業員を食わせなければならない。綱渡りだ」。

 県建設業協会八幡浜支部によると、3年前に八幡浜市など1市1町に50社あった土木、建築業者が現在は33社。藤川広治支部長は「自主廃業できる業者はまだましで、半数は自己破産。自殺した人がいないのがせめてもの救いというレベルだ」と話す。

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 県内の2008年度の公共事業と民間事業の比率は、公共事業が40・5%と全国平均より6ポイントも高い。

 だが、構造改革を掲げた小泉政権以降、国の公共事業費は年々削減され、不況と相まって建設・土木業界をじわじわと締め付けてきた。さらに昨年、「コンクリートから人へ」をキャッチフレーズに掲げた民主党が政権を奪取。国の10年度当初予算で公共事業費は前年度より18%減らされた。

 助け舟を出したのは、県だった。県の10年度当初予算に、前年度の1・5倍にあたる118億円の県単独の公共事業を盛り込んだ。県土木管理課の山下隆義・構造改革班長は、「県内の建設業界や地域経済の疲弊が加速し、社会資本整備も遅れてしまう恐れがあると判断した」と振り返る。

 国発注工事の減少を県予算で埋めた形だが、県財政に余裕があるわけではない。1995年度には2200億円を計上していた投資的経費は、10年度には520億円にまで落ち込んでいる。山下班長は、「今後もできるだけのことをしたいのは山々だが、国の対応を見極めないことには……」と言葉を濁す。

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 県建設業協会は今回、これまで行ってきた自民党候補への推薦を行わないとしつつも、自民党県建設関係支部などとして推薦するとし、事実上、自民党を支援する。同協会の関谷慎吾事務局長は、「県予算の公共事業増額には、県議会与党の自民党の協力があったと聞く。建設業界に理解のある人物を推すのは当然」と支援に至る背景を説明した後、「政権与党である民主にも顔を向けないといけないのだが」と悩ましい胸中を吐露した。

 雇用を生み出し、地域経済を支える意味も持つ公共事業。前政権の方針が公共事業の意義を否定しているといった批判を受け、参院選に向けた民主党の公約から「コンクリートから人へ」の表現は消えた。だが、公共事業が今後増える保障はない。

 「財政的に公共工事を増やせないにしても、せめて削減幅を緩和してもらいたい」。自らも建設会社を経営する藤川支部長の声は切実だ。「このままでは、県内の建設業者は軒並みつぶれてしまう」(山田果生)

2010年7月3日  読売新聞)
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