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サポーターどう増やす<7>

地に足着いた活動を

スポーツバーで働く近藤選手(右)(高松市丸亀町で)

 高松市の中心部にある丸亀町商店街。開放的なアーケードの下に、飲食店や服飾店など約130店舗が立ち並ぶ中に、モダンな外観のスポーツバーがある。入り口横のショーケースに展示されているのは、四国・九州アイランドリーグ(IL)の香川オリーブガイナーズのユニホーム。2006年12月に開店した球団の〈オフィシャルカフェ〉だ。

 店内には軽快なBGMが流れ、壁には選手の顔写真が掲げられている。メガホン、Tシャツなどの応援グッズも所狭しと並べられている。

 「いらっしゃませ」と笑顔で迎えてくれたのは、黒い長袖ポロシャツ姿の男性。オリーブガイナーズの先頭打者である近藤洋輔(26)だ。チームメートの2選手とともに、オフシーズンの12月と1月は同店でアルバイトをしながら自主トレに打ち込んでいるという。

 プロ野球独立リーグの選手は、現状ではプロといえども野球だけで生活するのは厳しい。無給となるオフシーズンに入ると、働きながらトレーニングを続けなければならない。BCリーグ・福井ミラクルエレファンツの選手たちも、オフシーズンには地域の事業所などに派遣され、働くことになる。球団の月給は15万円で、寮生活が基本だ。

 それでも、選手らには充実感がある。近藤は「シーズン中は野球に専念できるので、オフシーズンに働くつらさは感じない」と笑顔を見せた。

 地域社会の中で選手らが働くことの利点もある。

 オリーブガイナーズのカフェには熱心なファンがやって来て、「来年も優勝してな」などと気軽に声をかける光景が見られた。ファンと選手らの会話を前に、同店アルバイトの木村真衣(22)が「ファンあってのチーム。試合の応援にとどまらず、差し入れを届けてくれることなどもあって、選手とファンとの距離の近さを肌で感じる」と目を輝かせる。

 木村はアルバイトが縁で、地元放送局が制作する応援番組のリポーターを務めるようになった。様々な形で、選手らの〈サポーター〉は増えている。

 一方、球団の運営も一筋縄ではいかない。四国・九州ILは、開幕1年目の05年8月に経営破たんが表面化し、経営陣が刷新された。リーグ出資者から突如、代表に就任した鍵山誠は「情熱を持った若い人がこんなに集まっているんだから、絶対にリーグをつぶしちゃいけないと思った」と当時を振り返る。

 鍵山はリーグの収益を改善する様々な方策を立て、各球団にも効果的な集客作戦を求めた。

 オリーブガイナーズはリーグ2年目、初年度にはやみくもに配布していた無料チケットの枚数を大幅に縮小した。無料チケットを配れば、確かに観客動員数は増えるが、売り上げにはつながらないからだ。事実、初年度のリーグ180試合で、19万1193人の観客動員を記録しながら、当日券はわずか15%しか売れなかった。

 行政も、球場使用料を半額にするなどの支援に乗り出した。駅から球場までのシャトルバスの運行に、香川県と高松市が100万円ずつ補助。片道300円での運行が可能になり、県外からの観戦客にも好評だ。地道な経営策がようやく実を結びつつある。

 今季から始動するエレファンツも、県民を楽しませ、地域を盛り上げていくことに加え、経営を安定させることが大きな課題だ。オリーブガイナーズ球団社長の小崎貴紀に、エレファンツへのアドバイスを求めると、「地に足の着いた活動が大事。1軒ずつ商店を回るくらいの気持ちで取り組み、チームに協力してやろうと多くの人に思ってもらえるかどうかがカギ。認めてもらえれば、支援は増える」と語ってくれた。

(文中敬称略)

2008年1月12日  読売新聞)
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