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<5>寿命握る 原子炉容器当面は劣化監視可能に30年から40年、さらにもっと長く運転を続けようとする日本原子力発電敦賀原発1号機(敦賀市明神町)などの“ベテラン”原発。ただし、機器や設備、配管などは順次交換され、大部分は新しく生まれ変わっている。〈老骨にむち打って〉というイメージとは、ちょっと違う。だが、今のところ「これだけは取り換えられない」とされる設備がある。原発の心臓部である原子炉容器だ。 原電敦賀発電所副所長の山下厚(53)は「原子炉容器の交換は技術的に不可能でないが、ほとんど原発を新設するような大がかりなものになる。要は経済性の問題」と説明する。原子炉容器の寿命が尽きる時、原発は必ず現役引退しなければならないのだ。 原子炉容器は丈夫な金属でできているとはいえ、炉心から放出される中性子を長期間浴び続けるうちに材料が変質し、粘り強さがなくなって割れやすくなる。その経年劣化の進み具合を調べるために、電力事業者は「監視試験片」と呼ばれる材料を用いている。 各原発は、原子炉容器と同じ材質の金属片数十枚を1組にして、3組以上を運転開始時に容器内へ置く。安全基準に従ってこの試験片を一定期間ごとに1組ずつ取り出して機械で壊し、破壊に必要なエネルギーなどを測定する。 敦賀1号機の場合、試験片の破壊に必要なエネルギーは1970年の運転開始時で152ジュールだったが、2003年の破壊検査では139ジュールに低下。原子炉容器が確実にもろくなっていることを示しているが、安全上の基準値は68ジュールで、原電は「十分に余裕があり、健全性に問題はない」と評価する。 だが、別の問題が浮上している。敦賀1号機の試験片は計7組で、03年に取り出したのは6組目。つまり、現状ではあと1回しか検査できない。原電は9月に敦賀1号機を16年まで運転すると表明したが、その間に最後の1組を破壊検査に使う可能性があるのだ。 電力事業者や国も手をこまぬいていたわけではない。1度検査に使った試験片の残りを容器内に戻し、必要な時期に取り出した後、検査で破壊しやすいように別の試験片で挟んで新しい試験片をつくる――という方法が開発され、国も8月、正式な検査方法として承認した。山下は「必要があれば、試験片の再利用を検討する」としており、当面は原子炉容器の劣化監視が続行される。 (敬称略) (2009年12月21日 読売新聞)
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