友光軒<1>
初の洋館 今も憩いの場
昔は理髪店と銭湯が入る鞆町初の洋館だった
元散髪屋の大きな鏡が残る店内で働く武田さん
木の枠で出来た小さな扉をくぐると、散髪屋時代の大きな3枚の鏡が目に飛び込んでくる。経営者の武田典子さん(62)の祖父が、1917年(大正6年)ごろに散髪屋兼銭湯として建てた、鞆町で初の洋館だ。今はコーヒーとキャンドルの店「友光軒」として、観光客の人気を集める。
木造モルタル2階建てで自宅も兼ねており、武田さんはここで生まれ育った。進学や就職で故郷を離れ、約40年ぶりに里帰りし、2003年に店を開いた。かつての銭湯部分は取り壊され、駐車場になっているが、商売繁盛を願う神棚や明かりを取り込む天窓が、当時の面影をしのばせる。
「古くても、家は住むからこそ生きる」。建物の傷みが激しいため、全体の修理は難しいと業者に言われたが、軒下や駐車場の壁など、出来る所から少しずつ修理を続ける。手製の押し葉をあしらったキャンドルと、香りのいいコーヒーでもてなす武田さん。「家が倒れるまで、店を続けたい」とにっこりほほ笑んだ。
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月曜定休(祝日の場合は翌日)。問い合わせは、友光軒(084・982・2721)へ。
(2008年8月16日 読売新聞)