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イモ売りの声は鬼の声!?きのう3日の節分、長女の幼稚園でも豆まきが行われ、鬼がやって来たという。相当、怖かったようで、長女はげっそりとした表情で帰ってきた。 では自分の家が安住の場所か、と言えばそうでもない。悪知恵ママは鬼よりタチが悪いのだ。 「いしや〜きいも、おいも、おいもだよ」。冬の風物詩であるこの売り声が聞こえると、2人の娘たちは急いで私の背中に隠れる。そして私はニヤリと一言、「来たね、鬼が」。 スピーカーで流すイモ売りおじさんのダミ声は、周辺のマンションに反響し、3階にある我が家の二重窓を通すと、聞き取りにくい。それをいいことに私は以前、「『わるい〜子ども、子ども、子どもだよ』って言いながら探してるよ!」と教えた。実際は語尾の「も」しか合っていないけれど……。 それでも、最近は4歳の長女もだまされてばかりじゃない。「ママ、『おいしい、おいしい、おいもだよ』って聞こえるよ」と指摘するようになった。が、そこは演技力でカバー。「違うよ。『おいしい、おいしい、子どもだよ』って、どっかの子が食べられたんだよ!」 周辺を焼きいも屋さんが回るのは、だいたい夜8時前後。普段なら「まだ寝ない」と駄々をこねるが、例の声が聞こえた夜だけは寝る準備の早いこと、早いこと。 悪ふざけが過ぎるだろうか。いつか娘2人が真実を知った時、迷わず私を鬼に差し出すことだろう。 (成川由貴子) (2012年2月4日 読売新聞)
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