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第6部 「地域医療の行方」〈6〉病院改革「外部の目」で
前・総務省公立病院改革懇談会座長 長 隆(おさ たかし)さん・公認会計士。3月まで公立病院改革懇談会座長を務めた。夕張市立総合病院の経営アドバイザーや、全国十数病院の改革委員を歴任。静岡県出身。早稲田大卒。67歳。
――総務省は入院ベッドの利用率が低い病院に大幅なベッド削減を求めた。「医療よりも経営を重視するのか」との反発もある。 「誤解されている面が多く残念だ。確かに経営効率の悪い病院には規模縮小を求めている。だが、それは人もカネも無駄遣いしているからだ。かつて夕張市立総合病院は171床を抱えながら、利用率は30%以下だった。昨年4月に19床の診療所にしたが、隣の栗山町に赤十字病院があり、地域医療も崩壊していない」 ――多くの自治体病院は経営立て直しのめどが立っていない。 「経営改革が進まない病院では、労働組合が強い場合が少なくない。年功序列の給与体系を変えられず、事務職員や看護師の給与が、医師より高い場合もある。これでは医師も定着しない。私が道外の自治体で携わった病院改革委員会は、メンバー全員を他地域の医師や専門家で構成して成功した。利害関係がない人の方が『本当に地域に必要な医療とは何か』を判断できる。真剣に地域に医療を残したいのなら、それくらいの覚悟と決断が必要だ」 ――赤字でも地域に欠かせない医療機関もある。 「もちろん一方的に経営改善だけ求めているわけではない。総務省のガイドラインには、国が今後、必要な病院には財政支援を行うことを明記している。例えば根室のように脳外科手術や出産ができず、釧路まで車で2時間以上かかるような地域には、(手術・入院を伴う重症患者を受け入れる)2次救急の医療体制を完備しなければならない。しかし根室市立病院は今、常勤医が12人で夜間の救急患者も原則受け入れていない。こういう病院は重点的に支援する」 ――財政支援の中身は。 「150床規模の病院で、2次救急を行うには毎日少なくとも5人の当直医が必要だ。各医師が週1回ずつ当直するとして35人になる。その給料全額、4、5億円を国が助成する案も出ている。詳細は今後の同省の検討会で議論されるだろう」 ――人件費があっても地方に医師を集めるのは難しい。 「医師を派遣する大学との調整になる。自治体は国の助成金を大学に回すこともできる。当直を週1回に限れば、地方の病院の労働環境も改善される。外科医や産婦人科医などがそろった2次救急病院なら、勤務地としての魅力も増すはずだ」
(2008年11月26日 読売新聞)
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