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相次ぐ建設業倒産農林業進出を活路に![]() 「木の城たいせつ」「北野組」「松本建工」と大型倒産が相次いだ今年の道内建設業界。東京商工リサーチ北海道支社によると、今年の倒産件数は279件で昨年より66件も増えた。地域の雇用を支える建設業はどう生き残ればいいのか……。 ◇ 道北最大の総合建設会社だった北野組は従業員が高い技術を持っていたこともあり、解雇された関連会社を含む計193人のうち108人が再就職できた。ハローワーク旭川では、「同業他社に請われて再就職した若手従業員も多い」と説明する。悲惨なのは技術や資格を持たない事務職や、50〜60歳代の従業員だ。 3月に破綻(はたん)した木の城たいせつも事情は同じだ。関連会社を含む4社で566人が解雇されたが、非正規雇用も含め、これまでに約300人が再就職した。しかし、連合北海道空知地域協議会は「希望する職場で働けている人は少ない。パートやアルバイトで生活をつなぐので精いっぱいという人が多い」としている。 ◇ 今年は生きながらえた企業もやりくりにあえいでいる。国は10月末から緊急保証制度を始めたが、道内でも申請が殺到している。北海道経済産業局によると、12月18日現在の道内の申請数は3017件に上った。認定された融資額は560億円を超える。 道も中小企業を対象に低利融資を行っているほか、毎年仕事納め後に行っていた金融相談も日程を繰り上げて実施した。年末の支払いに困った企業などからの相談は、昨年より確実に増えているという。 こうした融資について旭川大経済学部の江口尚文准教授は、「混乱が起きそうであれば一つの手だが、あくまで一時しのぎにすぎない。農業分野進出など、新しい業態に打って出る企業をいかにサポートするかが重要だ」と話している。 ◇ 農業分野への進出については、道内でも土壌改良技術を生かしてニンニク栽培に活路を見いだした企業や、ハーブを無農薬栽培する農業生産法人を軌道に乗せた企業など成功例がある。 加えて注目されるのは、建設業者が林業者と一緒に仕事をする「林建共働」だ。19日に改定された国の「地方再生戦略」には、「林建共働」を各省庁連携で推進することが明文化された。 林野庁が建設業者に扉を開くことで、今後は林業参入も進みそうだ。すでに岐阜県で試験的に始まっており、建設業者は自分たちの持つ機材や技術を活用し、間伐作業に必要な作業道を整備したり、伐採した木を製材したり、バイオマスエネルギーに活用したりしている。 広い林野を擁し、林業労働者減少にも悩む北海道でも一つの活路が開けるかもしれない。 ◆雇用維持には複業化も必要…政府の規制改革会議委員 米田雅子・慶応大教授 全国的に公共事業はピーク時の半分にまで減ったが、建設業者の数は1・5割しか減っていない。相当な供給過剰状態にある。 建設業者が本業だけで通年雇用を維持できないのなら、別の本業を持てばいい。7割の企業は専業を強化し、残りの3割が地域の需要に合わせた別の本業を持つことで、供給過剰は解消されるのではないか。 すでに多くの企業が農業に参入している。これからスタートする「林建共働」は、建設業の雇用確保だけでなく、大半が補助金で成り立っている今の林業を、もうかる林業に転換することも可能にするだろう。 地域の建設業者は、防災などで地域を守ってきた重要な存在だ。農林業に限らず、高齢者介護など地域が必要とする色々なサービスの担い手となり、生き残っていくべきだ。また、こうした建設業の「複業化」が円滑に進むよう、行政には業種ごとの壁を取り払ってほしい。 【緊急保証制度】 収益が悪化している中小企業の資金繰り支援を目的とした国の制度。金融機関から融資を受ける際、信用保証協会が返済を保証する指定要件を大幅に緩和。指定業種も185業種から、現在は698業種にまで拡大した。 (2008年12月29日 読売新聞)
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