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<80>試練の道のり どこまで3月24日、2010年度政府予算が成立した。由紀夫は参院本会議の閣僚席で可決を見届けると、腰を上げて一礼した。口は真一文字。笑顔はなかった。 首相に就任して半年――。政権交代を成し遂げた当初の熱気は冷め、国民の視線は厳しさを増している。地元支援者の胸中にも、複雑な思いが交錯する。 「この半年、色々あった。大きな山を一つ越えたが、真価が問われるのはこれからだ」 民主党北海道(道連)幹事長の佐野法充は25日朝、予算成立を伝える新聞を札幌市豊平区の自宅で読みながら、胸の内でつぶやいた。こみあげてきた感情は、達成感からは遠いものだった。 厳しい情勢の背景には、内閣支持率の低迷がある。読売新聞の世論調査で当初、75%あった支持率は、3月には41%に落ちた。 最大の原因は、「政治とカネ」をめぐる不祥事だ。 由紀夫の資金管理団体の偽装献金問題は刑事事件に発展した。由紀夫は国会で再三追及を受け、おわびを繰り返した。 軽率な発言も問われた。 「どうぞ闘って下さい」 由紀夫は1月16日、政治資金問題で検察当局との対決を主張した幹事長の小沢一郎にこう伝えた。驚いた渡部恒三は、すぐに由紀夫をいさめた。「検察庁は自分の部下だ。捜査されている側に検察と闘えと言うのは、憲法違反だ」 後見役からの厳重な注意にもかかわらず、由紀夫は5日後に再び失態を演じた。小沢の政治資金問題に絡んで逮捕された衆院議員の石川知裕について「起訴されないことを望みたい」。またも批判を浴び、発言を撤回した。 指導力も問われている。 10年度予算編成では、政権公約であるガソリン税の暫定税率の廃止にこだわったが、小沢から要求され、実質的な税率維持に方針転換した。沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題では、閣僚のバラバラな発言を許し、混迷を深めた。 綱渡りの政権運営を続ける由紀夫は、首相としての「お国入り」をまだ果たせていない。 そんな由紀夫を激励しようと、地元の室蘭市後援会は、80人規模の上京ツアーを5月に計画している。由紀夫に面会できるかどうかわからない。だが、会長の斎藤修弥は言う。「会えなくてもいい。私たちが東京まで足を運べば、きっと励みになるはずだ」 ◇ 鳩山由紀夫が衆院議員候補者として北海道の土を踏んだのは26年前。斎藤が「ひょろっとやせていて、本当に政治家になれるのか」と心配した若者は、幾多の人々に支えられ、宰相に上り詰めた。さらに続く試練の道のりに、足跡をどこまで刻み続けるのか。それは、民意が決めることになる。 (敬称略、おわり) (この連載は、阪本高志、吉山一輝、中山詳三、石井一秋が担当しました) (2010年4月3日 読売新聞)
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