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大学編 変わる授業<27> 「鬼仏表」決定版に行列 (2004年10月8日)

「鬼仏表」決定版に行列

 著書「こんな夜更けにバナナかよ」で6月、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した渡辺一史(36)は、書棚の奥から取り出した小冊子を、懐かしそうにパラパラとめくった。B5判、111ページの一色刷り。ページの縁は、もう黄ばんでいる。

 冊子のタイトルは「GOEMON」。北海道大に在学していた当時、渡辺がほとんど独力で執筆した鬼仏表だ。1989年から93年まで、年一回発行。内容は詳細を極め、市販もされた。今でも北大生たちから、鬼仏表の決定版と見なされている。

 この冊子を巡る渡辺の体験は、「学生評価」が大学や、社会に認められていく裏面史でもある。

 渡辺は大阪の高校を卒業後、「ムツゴロウさんの動物王国にあこがれて」獣医を目指し、87年に北大に入学した。

 当時の北大は1、2年生は教養部に所属、3年から専門学部に入る。どの学部に進めるかは、2年前期までの成績で決まる。

 「どの授業が優を取りやすいか」は、学生の大きな関心事。そこに目を付けた渡辺はサークル「北大広告研究会」を立ち上げ、サークルなど内輪で何種類も出回っていた鬼仏表を収集し、独自の調査を加えて、統一様式でまとめ上げた。

 89年4月、北大生協の書籍部に創刊号が並んだ。カウンターには、学生たちが行列を作っていた。製本した2000部はバックナンバー用のわずかな残部を除き、すぐに売り切れた。

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