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優佳良織織元 木内 綾さん<3> (2005年12月4日)北海道 数百の色と心で織る
北海道の緑は違いました。浅緑、黄緑、深い緑、濃い緑。針葉樹と広葉樹の色が重なり、本当に多彩なのです。函館から旭川へ帰るまで、汽車の窓から飽かずに緑の風景を眺めてました。「北海道の自然を織ろう」。そんな気持ちがわき上がって、テーマが決まりました。 優佳良織の特色は、一つの作品に300色近い色を織り込む多彩さにある。それは油絵のような織物を織りたいという木内の思いと、北海道の自然は単彩では表現できないという必然性から生まれた。 北海道の自然を織るということは、花を織る、湖を織る、流氷を織るということになります。例えばハマナスをじっと見ると、いろいろな色があります。花びらの色の後ろにまだまだ色があり、花の奥にひそんでいる色がある。自然の持っている色というのはすごいものです。それを無視すると花になりません。湖も流氷も同じです。 原毛を何百色も染め、それを交ぜ合わせて、1本の色糸を紡ぎます。機に糸を通し、平織り、浮き柄織り、つづれ織り、すくい織りと、それぞれの織りを組み合わせて図柄を描いていきます。 機織りはタテ糸とヨコ糸の直交ですから、曲線を織るというのは至難の業です。油絵のように自由に色をつけ加えることも出来ません。糸を変えて織り、織っては糸を変える。その繰り返しです。色が絡み合って精神が混乱してきます。機を放り出したくなるのはそんな時です。 リアルに織ろうとすればするほど、自然から遠ざかっていきました。流氷を織って、真冬の紋別まで出かけたこともあります。目の前の海に浮かぶ流氷と比べると、それはもう見るも無残でした。 見比べること自体が、自然の美しさを理解していないということなんですね。自然は神様が創(つく)った最も美しいバランスを持っているんですから、人間の技で追いつくなんてことはありません。自分の心で、イメージの世界で織るしかないんです。それに気づいたのは、ずっと後になってからでした。
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