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夕張働く者の歴史を記録する会 山影 静子さん<6> (2006年3月7日)羽振りがよかった炭鉱従業員
新鉱の労働者は、閉山した若菜鉱などいくつかの炭鉱で働いていた人をいったん解雇して、再雇用するという形が取られました。だから退職金はあるし、もともとの給料も高い。住居費も光熱費も会社持ちだから、それは羽振りがよかったですよ。新居には新品の電気製品が並び、引っ越し祝いに結婚式のような料理を注文していました。 うちの店でも、当時1万2000円もしたジョニ黒など高級洋酒がよく売れました。派手といえば、炭鉱の組合の選挙です。候補者の自宅に届けるためにお酒を買いに来るんですが、北の誉や灘ものの日本酒がよく売れました。棚に1本もお酒がなくなり、南部の本店から取り寄せたこともありました。 一度、奥さん方の会話を聞いたことがあります。「給料いくらだった?」「手取りで40万円よ」。40万とは驚きましたね。私は夫に公務員より炭鉱の方が給料いいから、そちらに移ったらとよく言ったもんです。店をやって2年くらいでしょうか、しばらくはいい商売をさせてもらいました。 会社は教育や福祉なんかもすべて面倒をみてました。そんなですから夕張は炭鉱が強くて、市長が3人いると言われましたよ。北炭の社長、三菱の社長、それに本当の市長です。 お産を機に嫁ぎ先から夕張に戻った二女に店を譲り、静子は南部の本店へ戻った。 主人は退職して、都会はいやだと夕張に戻ってきました。主人は植物が大好きなもので、退職金で夕張に山を買ってオンコの木を育て始めたんです。当時は田中角栄の列島改造で、庭に木を植えるように盛んに言われていました。木を売って一獲千金を狙おうと思ったんですね。いいオンコの実があると聞けば、天売、焼尻でも日高でも北海道中どこへでも買いに走りました。 ですが、オンコは種を植えてから3年たたないと芽が出ない。おまけに芽が出ても植え替えなどの手間がかかり、売れるくらいにまでに育つには随分かかるんです。売れるまでに育ったころには、社会情勢が変わって売れなくなってしまいました。それからは趣味でやってます。今も山はオンコだらけですよ。
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