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「お得な空港」の影需要予測やビル経営責任不透明「観光地としての受け皿づくりが、茨城空港の成否にかかってくる」 「空港の利用促進」をテーマとして5月14日に開かれた県議会総務企画委員会。参考人として招致された旅行会社「ジェイティービー」の清水慎一常務取締役は観光の重要性を訴えた。「認知度は低いが、観光資源となる自然や歴史が残っている」と、茨城の可能性も口にしたが、委員の中には雑談を続ける者も。終了後、清水常務は漏らした。「盛り上がりが感じられない。どこまで伝わったか……」 新空港の整備は国の事業で、整備事業費約250億円のうち、県の負担は80億円程度だ。だが、周辺事業を含めれば、県の支出は300億円以上になる。「未曽有の財政危機」と橋本知事自身が指摘する現状で、失敗は許されない。 地方空港の厳しい現状などを考えると、国内路線を想定して当初試算した約81万人の需要予測は、かすんで見える。ライバル視する福島空港は、2005年度の需要予測を約140万人と見込んだが、利用者は55万人弱にとどまった。 さらに、影を落としそうなのが、ターミナルビル運営を巡る経営責任だ。昨年の公募で、手を挙げた民間企業はなく、県開発公社が運営することになった。 「貴社の一方的な財政負担が生じることのないよう、支援と協力を行う」。県は、債務超過を抱える公社に、こんな文書を出した。建設費は無利子貸し付け。格安航空向けの設計変更で、建設費は当初の27億円から38億円に膨らんだが、10年据え置きの30年償還という条件は変わっていない。公社は、この文書を後ろ盾に、赤字になった場合も、県が保証するものと決め込む。 「県の負担は80億円。お得な空港です」。県の担当者はそう言って、1年早く開港する静岡空港とよく比較する。 静岡は県営空港。整備事業費は約500億円で、静岡県が約250億円を負担する。就航対策の面では、開港時からの乗り入れについて、05年に日本航空と協定を締結するなど順調に便を確保してきた。 PRも大々的だ。福岡市のヤフードームで昨年9月開催されたソフトバンク―日本ハム戦。静岡県がスポンサーとなったこの試合は、「ふじのくに・しずおかナイター」と銘打たれ、大型スクリーンには静岡の観光物産品が映し出された。翌月、日本航空の福岡便就航が正式に発表された。 羽田空港で増加する発着枠は、国内、国際線への振り分けに流動的な部分が残り、県にすれば身動きが取りづらい面があるのも事実だ。ただ、開港までの時間は2年弱と短い。戦略の一層の明確化と機運を盛り上げる工夫が求められている。(おわり) ◇ この連載は、作田総輝が担当しました。 (2008年5月25日 読売新聞)
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