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連載・特集
ちん電 小さな旅
大甕駅 「駅の顔」の饅頭、製法は秘密

写真:写真説明

 大甕(おおみか)駅には日立電鉄の駅舎は無い。ホームに降りた乗客は、連絡橋を渡り、並行して走るJR常磐線の大甕駅改札口から出る。乗る時はこの逆で、切符の自動販売機もJRと共用、日立電鉄は駅舎使用料をJRに支払っている。

 ちん電の他駅からは、大甕駅で乗り換えてJR日立駅や水戸駅までなら、一枚の切符で乗り通せる。常磐線との接続を重視している、ちん電ならではの連絡運輸となっている。

 その大甕駅前で売れているのが「大みか饅頭(まんじゅう)」だ=写真=。製造元の運平(うんぺい)堂本店は一八六八年(明治元年)に現・大洗町で創業した老舗。一九一六年(大正五年)、現在地に移ってきた。ちん電が大甕駅までつながり、乗換駅となるのは、一九二九年だ。

 乗降客にも評判の饅頭は五四年から作り始めた。縦長で、一口で食べられる大きさ。皮は白く、甘さ控えめのこしあんで飽きがこない味だ。岩田秀邦社長(61)は「白さ、上品さ、美しさを兼ね備えた和菓子」と胸を張る。北海道十勝産の小豆を使い、添加物は一切使わない。実は、水戸市内では「光圀(みつくに)饅頭」として販売している。

 「機械はすべて特注。他社と同じ機械を使っては個性が出せない」と岩田社長はこだわる。企業秘密を守るため、本店裏の工場内は非公開。和菓子は、社長のアイデアで作られた長さ八十メートルのモノレールで店に運ばれ、できたての味を売っている。店は(電)0294・52・3257。

 【メモ】1998年から、ちん電は、暮れて夜景に変わる車窓を見ながらジョッキを傾ける大甕駅始発、終着の「ビア電」(夏)、「呑電(どんでん)」(冬)を始めた。男性3000円、女性2000円で飲み放題。鉄道会社直営の「走る居酒屋」も、ちん電が全国第一号だ。今年のビア電は、昨年の倍、約2000人が乗車した。呑電は11月下旬に出発する。

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