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(10)過疎と無縁 最小の街…富山・舟橋村![]() 越中舟橋駅に併設された村立図書館は多くの利用がある
広さ3・47平方キロの舟橋村は、全国で最も面積の小さい自治体だ。東京ドームで74個分。だが、あまりピンとこない。どれだけ小さいのか、歩いて確かめてみることにした。 わずか3.47平方キロ富山地方鉄道の電鉄富山駅から10分余りで、越中舟橋駅に着いた。まず、北に向かって歩いてみると、100メートル程で「富山市」の表示が。それではと、南に向きを変えると、約20分で立山町に入った。地図を見ると、東西の距離はもっと短い。 昨年3月までは、もっと小さな自治体があって、全国最小ではなかった。だが、高知県旧赤岡町(1・64平方キロ)や三重県旧鵜殿村(2・88平方キロ)などが平成の大合併で次々と消えて“トップ”になった。 小さいことも魅力と考えれば、「日本一」をもっとアピールしてもいいのではないかと思ったが、どこにも看板や垂れ幕などは見当たらない。村がホームページや広報誌で、最小になったことを伝えている程度だ。村総務課の古越邦男課長(53)は、「自分たちが努力して、1位になったわけではないので……」とあくまで控え目だ。 村には自慢のタネがいくつもある。 2005年国勢調査時の村の人口は2673人。00年調査に比べて24・2%増えており、伸び率は全国の町村で2番目に高い。 理由は、県都・富山市に隣接し、高速道路のインターチェンジにも近い“地の利”。転入者は子育て中の若い世代が多く、昨年10月1日現在、15歳未満の年少人口の割合は22・8%と、県内の市町村で最も高く、65歳以上の老年人口は最低の16・1%だ。 自治会長会の吉田崇志さん(74)は「以前は年寄りばかりで、村民運動会に出る人は少なくなっていたが、近ごろはとてもにぎやかになった」と喜ぶ。 図書貸し出しトップ![]() 村は昨年4月の広報誌で、日本一小さな自治体となったことを紹介した
また、村立図書館の住民1人当たりの貸し出し冊数も“日本一”だ。 図書館の、昨年度の住民1人当たりの貸し出し冊数は49・6冊。日本図書館協会によると、全国の公立図書館の貸し出し総数を全人口で割ると4・9冊というから、全国平均の10倍以上ということになる。 ただ、この日本一にはからくりがある。村立図書館の利用登録者(昨年度末)約1万1800人のうち、村民は15%しかいない。図書館は越中舟橋駅に併設されており、通勤・通学の途中に下車して立ち寄る村外利用者が多いということだ。 それでも、図書館がよく利用されているのは間違いなく、「貸し出し規定冊数いっぱいまで借りていく人が多いので、村民が借りている冊数だけでも水準は高いはずです」と、高野良子・司書係長(53)は自信たっぷりに語ってくれた。 村は、昨年4月の広報誌で、「日本一住みやすい村を目指す」と宣言した。「あまり人が増えると行政サービスが行き届かなくなる。農地から宅地への転用を制限して、人口3000人くらいのコンパクトなまちを維持したい」と、金森勝雄村長(63)は言う。 村は、周辺自治体からの合併の誘いを断り、自立の道を歩もうとしている。全国で自治体の合併が相次ぐなか、一番小さな村はどんな挑戦をしていくのか。これからも見続けたいと思いながら、帰りの電車に乗り込んだ。(坂田真) 平成の大合併 合併した自治体に財政的な優遇措置を認めた旧合併特例法の後押しで、1999年3月末には全国で3232あった市町村が、06年3月末には1821まで減少した。読売新聞が全国1817市町村(昨年10月1日現在)を対象に実施したアンケート(回答率97.6%)では、舟橋村を含む70市町村が、今後も合併せずに自立を目指す考えを示した。 《面積の小さな自治体ランキング》
◇ 知る人ぞ知る「ふるさと“地”慢」をお寄せ下さい。〒100・8055 読売新聞東京本社地方部内信課へ。電子メールnaishin@yomiuri.com (2007年3月22日 読売新聞)
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