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【変わる教室】伝統芸能 若い手で(2002/09/07)

地元に伝わる人形浄瑠璃「相模人形芝居」を足柄座のメンバーから学ぶ県立足柄高の生徒
継承の取り組み授業、推薦入試に
 地元の伝統芸能を継承しようという動きが県内の高校で盛んだ。県立足柄高(南足柄市)は今年度から、人形浄瑠璃などを学ぶ「郷土の芸能」を授業の選択科目に加えた。獅子舞などを授業に取り入れている県立愛川高(愛川町)では、「地域の文化に興味がある生徒」を対象にした推薦入試を昨年度から導入した。地域の人たちとの交流も深まっている。

 「ここは扇で八の字を作って」。間近に迫った文化祭を前に、足柄高の女子生徒たちが「足柄ささら踊保存会」会長の柏木景子さん(61)らから手ほどきを受けていた。生徒たちは真剣なまなざしでうなずくと、扇を両手に優雅に舞い始めた。

 ささら踊りは、地元の農村に伝わった盆踊り。竹の先を細かく割って束ねた「ささら」という楽器のほか、小太鼓や扇、手ぬぐいを持ってゆっくりと踊る。江戸や木曽の踊りの影響を受けた優雅さが魅力だ。

 同高の生徒が授業で学ぶのは、いずれも江戸時代から伝わるこの「足柄ささら踊り」と人形浄瑠璃の「相模人形芝居」。三年生を対象にした選択科目で、踊りは女子八人、人形芝居は男子六人が週二時間受講している。

 鍵和田ちえみさんは「珍しい踊りなので選択しました。文化祭では、ほかの生徒にもこんな踊りがあることを知ってほしい」と練習に余念がない。指導する柏木さんも「保存会のメンバーは高齢化が進み、心配していた。若い人にしっかり伝承していきたい」と張り切っている。

 相模人形芝居を選択した男子生徒たちは当初、三味線を使った義太夫の独特の節回しに戸惑った。が、「相模人形芝居足柄座座長」の鈴木宏江さん(59)らの指導を受け、人形芝居の奥深さを知るようになったという。

 日ごろバンド活動に励む星敦人君は、「大切な郷土文化なので、ぼくたちの代で終わらせるわけにはいきません」と頼もしい。

 愛川高では四年前から「伝統文化」を授業に取り入れ、今では三十一人の生徒が地元の獅子舞や和紙作りに挑戦中。「地域の文化に興味がある」として今春初めて推薦入学した十四人の一年生が加わり、練習にも一段と熱が入る。

 愛川町唯一の高校として地元での期待も大きい。佐藤新二教頭は「地域文化を学ぶことで、地域の役に立てる人材を育成していければ」と話している。


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