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1 花で独り立ち応援 パナマ・ボケテ県

写真:写真説明
グループ長のグロリアさんにランの栽培方法を教える後藤陽子さん(左)
 パナマの最高峰バルー山(標高3475メートル)のふもとに広がるボケテ県。色とりどりの花と豊かな緑で彩られた、この山岳リゾート地で、青年海外協力隊員の後藤陽子さん(30)(横浜市泉区)は、野菜農家やコーヒー農家にラン栽培を指導している。

 単価が高く、育成周期の短い花き栽培は収益効率が高く、農家の生活向上に有効だとして、園芸会社に勤務していた後藤さんが派遣されてきた。

 林道脇に張られた広さ約六十平方メートルのビニールハウスで、十五センチほどに育った苗を一回り大きい鉢に移し替える作業を実演し、「私が来たことで、少しは収入が上がった」と笑顔を見せる。だが、二〇〇三年十二月に赴任した時には、「とんでもないところに来てしまった」と思ったという。

 栽培した花を協同組合の直営店で売ろうとしたが、その組合が機能していなかった。組合員が、共同で集配、販売するシステムが確立されておらず、農家から野菜などの商品が集まらない。仕方なく市場で仕入れて販売する状態で、借金は3000ドルを超えていた。

 帳簿もなく、組合長の横領まで発覚。「私の手に負えない」と、パナマの協同組合庁に泣きついたが、「彼ら自身で解決しなければならない問題」と、素っ気ない答えしか返ってこなかった。

 組合への不信感は、花き栽培の参加者にも広がり、一時は、栽培グループ長のグロリア・ベルナスコリーさん(48)しか来ない日もあった。

 だが、「はるばる日本から来てくれたヨーコのために、自分たちだけでも前に進むぞ」と声が上がり、ようやく一人当たり月10ドル程度の増収にこぎつけた。十二人いたメンバーは半分に減ったが、「ヨーコから色んなことを学んだ」とグロリアさんに言われると、うれしさが込み上げてくる。

 ただ、組合員の中には、まだ、「誰かがやってくれる」という依存体質が見え隠れする。提案した、資材の一括購入や販売ルートの一元化は、今も実現していない。

 今年十二月に帰国する予定だが、その後も現地に隊員を送ってもらうようJICAに要請することができる。だが、後任はいらないと思っている。「彼らに必要なのは高い技術より、自分たちで経験を積んで学ぶこと。みんな能力はあるし花が好き。何とか独り立ちしてもらいたいですから」

 ◇青年海外協力隊員〈1〉◇ 応募資格は20―39歳。年2回の選考試験の合格者は約80日間、国内で合宿した後、各国に派遣される。2004年12月現在、72か国で約2650人が活動する。

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