<中>伝承の輪広がる「大蛇山」
◆準備半年 町内外から参加
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「南関伝統の祭りをもっと盛り上げていきたい」と語る小出祐二さん。後ろは制作中の大蛇山 |
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にぎやかな太鼓と鉦(かね)のお囃子(はやし)にのって、高さ約5メートルの大蛇を模した山車「大蛇山」が花火の炎をはき出しながら町を練り歩く――。毎年8月に行われる南関町の夏の風物詩「祇園祭」の呼び物は、何と言っても昼夜2回の大蛇山巡行だ。
祭りを約1か月後に控えて山車の制作が進んでいると聞き、「なんかん大蛇山振興会」会長の小出祐二さん(50)が社長を務める「南関タクシー」を訪ねた。
タクシー数台が止まる車庫に入ると、奥に緑色の巨大な物体が見えた。大きくあけた口がすごい迫力だ。「8割方出来上がっている。あとは耳や角、尾を取り付けるだけ」と小出さん。
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火を噴きながら町内を巡行する大蛇山(2004年8月撮影、南関町提供) |
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大蛇山の材料は竹、わら、紙。竹で大まかな骨格を作った後、直径10センチほどのわら束をつなぎ合わせて、目や口の回りの曲線の輪郭を作っていく。強度を持たせるために丈夫な米袋を一面に張り、さらに白い紙を張った後、色をぬる。
祇園祭のほか、7月に福岡県大牟田市で開催される「大蛇山パレード」に出演するため、毎年2台を制作する。2月に近くの山で竹を切り出してから、完成まで約半年。仕事が終わった夕方から夜にかけて、振興会の約40人が作業に当たる。小出さんは自宅が制作現場とあってほぼ毎日つきあうが、「好きでやりよることだけん。別にきつくはなか」と笑う。
大蛇山は巡行が終わった後でバラバラに壊し、部品が縁起物として希望者に配られるので、翌年はまた一から作ることになる。
◇ ◇
元々祇園祭は同町関町地区の消防団員や商工会員だけで運営していた。ところが、人手不足から若い世代への技術の伝承が心配されるようになり、2000年に振興会を発足させ、町内外から広く参加者を募るようになった。
隣の関東地区から参加するようになった町職員武田信幸さん(36)は「祭りは楽しいが、やっぱり準備は大変。手伝ってくれる人が、もっと増えるとうれしい」と語る。
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北原克也君 |
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お囃子は子どもたちの仕事で、毎年夏休みに入ったころから練習を始める。昼の巡行は小学生、夜は中学生が担当する。
南関中1年北原克也君(12)は、2年前から祭りに参加。今年は初めて夜の巡行に加わるとあって「夜の方がにぎやかで盛り上がる。柔道部の部活が忙しいけど、お囃子の練習も頑張りたい」と張り切っている。
北原君は大蛇山づくりにも興味があって、よく制作現場に遊びに行っているという。「毎年少しずつ大蛇の表情が変わるのがおもしろい。大人になったら、ぜひ挑戦したい」と目を輝かせた。(前田剛)