<上>我が家の“宝”出番待ち
◆熊本市の鶴山さん 秘蔵の碁盤を提供
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棋聖戦で使われる碁盤を前に笑顔の鶴山さん家族(左から繁實さん、亜弓さん、久美子さん) |
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「家族に共通の趣味があるおかげで、我が家には親子の断絶がないんですよ」
熊本市琴平2、高校教諭鶴山繁實さん(55)一家には笑顔が絶えない。共通の趣味は囲碁。22、23日の第30期棋聖戦熊本対局で使われるカヤ製の碁盤は、碁が“かすがい”になっている家庭で、対局の時を静かに待っている。
繁實さんは、プロ棋士鶴山淳志六段(24)の父親でもある。
鶴山六段は、幼稚園のころに、繁實さんの手ほどきで碁を覚えた。1993年3月、趙治勲十段が全国の少年少女を巡回指導した「囲碁全国行脚」で素質を見込まれ、11歳から千葉市の趙十段の元に住み込み、内弟子としてプロ修業を積んだ。
碁盤は、17歳で初段を取得してプロになった際、「託麻囲碁クラブ」(熊本市)で師事した栗原俊昭氏(故人)から贈られたもの。大舞台に出るのは99年の第24期名人戦と、2001年の第27期天元戦に続き3度目という。繁實さんは「息子が戻った時に練習するほかは、もったいなくて使っていません」と秘蔵ぶりを話す。
鶴山六段の妹で高校1年の亜弓さん(16)も実力者だ。昨年11月の全九州高校囲碁選手権大会の女子個人戦で優勝。熊本対局の歓迎前夜祭では、羽根直樹棋聖(29)に花束を渡す役も務める。「囲碁は勝ち負けも楽しいけど、いくら考えても答えが出ないところも魅力の一つ」
母親の久美子さん(55)は「親子で囲碁談議に花をさかせることがあります。父親と娘、わたしと息子で組んで対局する『ペア碁』は家族のふれ合いの一つ。プロがいる方が勝ちますが……」と笑う。
鶴山六段は、熊本対局の会場で指導碁を行う予定という。「碁盤が棋聖戦で使われるのはうれしい。素晴らしい碁盤をいただいたのだと、栗原先生に改めて感謝しています。自分も将来、タイトル戦を熊本で打てるよう頑張りたい」と語った。