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賃貸住宅の更新料 “暗黙の了解”見直し機運 無効判決相次ぐ賃貸マンションの契約更新の際、更新料の支払いを求める契約条項を、消費者契約法に照らして「無効」とする司法判断が、地裁と大阪高裁で2件続けて示された。入居者側の弁護団は、集団提訴を検討するなど攻勢を強めている。一方、「更新料は賃料の一部」と正当性を主張してきた家主や不動産業者の間にも、入居者とのトラブルを避けようと、更新料に頼らない契約形態を模索する動きが出始めた。(滝川昇) 更新料は、1〜2年ごとの契約更新時に入居者が家主に支払うもので、家賃1〜2か月分が相場。1960年代に定着したとされ、全国で約100万戸以上で設定されているという。 一昨年の国土交通省調査では、更新料が必要な賃貸住宅の割合が最も高いのは首都圏で、京都では55%。しかし、同じ関西でも、大阪や兵庫はゼロだった。 全国から学生が集まる京都独特の事情があるのだろうか。不動産業者で作る日本賃貸住宅管理協会・京都府支部の吉田光一支部長は「経緯はわからないが、京都では、家主たちは更新料を前提に収支計画を立ててきた」と説明する。 これに対し、入居者を支援する「京都敷金・保証金弁護団」が着目したのは、「消費者の利益を一方的に害する条項は無効」と定めた消費者契約法だった。 昨年1月の地裁判決や今年3月の大津地裁判決では、入居者も“暗黙の了解”で「更新料は月々の賃料の補充」と認識している、として訴えを退けたが、7月の地裁判決は「更新料の性質に合理的理由は認められない」と判断。8月の高裁判決も追随した。 同弁護団が今月6日に行った無料電話相談では、6時間で100件の相談が寄せられた。これらの事例から、今後、集団訴訟や、契約条項の使用差し止めを求めて消費者団体訴訟を起こす考えだ。 一方の家主・不動産業者側は不安を強めている。同支部が2006年春に京都市内の6万室を調査したところ、約1割が空室だった。吉田支部長は「その後、さらに空室が増えている。返還を命じる判決が続けば、経営が苦しくなり、廃業する家主が増えるだろう」。 しかし、打開策がないわけではない。首都圏では一足早く、入居者をつなぎとめようと、契約形態を見直す家主が増えている。 同支部も、更新料の正当性を主張するよう加盟各社と申し合わせてきたが、高裁判決後、各社に「更新料の取り扱いは自由に判断を」と通知した。更新料を取る場合でも、入居者に説明を尽くそうという声が広がっている、という。 高裁判決を受けて家主側は上告したが、今月25日には、別の3件の判決が地裁で言い渡される。今後の同種訴訟の行方を占う〈分水嶺(れい)〉とも言えそうだ。 私自身、京都に住んで約9年。賃貸マンションで暮らした7年間、更新を迎えるたび、引っ越すより更新料の方がまだ安いと計35万円を支払ってきた。この間、どういう趣旨の請求なのか、説明されたことはない。 新しい生活への希望と不安を抱えて住まいを借りに来る人々にとって、十分に納得できる説明は、そのまちの優しさでもあるだろう。 (2009年9月24日 読売新聞)
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