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苦杯バネ 全国制覇誓う

立命館宇治イレブン

府大会決勝後、福知山成美の主将(左)から折り鶴を託された立命館宇治の玉田主将。イレブンは府代表として全国大会のひのき舞台に立つ(11月20日、西京極陸上競技場で)

 30日に開幕する第90回全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社後援)に立命館宇治(宇治市)が、2年ぶり2度目の府代表として出場する。昨年11月の府大会決勝で久御山に敗れて以降、各大会で決勝までコマを進めながらも頂点を極められずにいたイレブン。もがきながら、今回ようやく“全国切符”を勝ち取るに至った軌跡を振り返る。(浜畑知之)

 昨年、府大会決勝で立命館宇治を3対2で退け、府の頂点に立った久御山は全国大会でも、ボールをたくみに回すパスサッカーで決勝まで勝ち進んだ。決勝で滝川二(兵庫)に敗れはしたものの、全国に「京都」の実力の高さを見せつける結果となった。

 この快挙に京都のサッカー界は大いに沸いたが、立命館宇治のイレブンは複雑な心境だった。当時2年で、レギュラーだった立命館宇治のFW谷口純基選手(18)は「決勝さえ制していれば、自分たちのプレーを全国に見せられたかもしれない。次こそ」と悔しさをかみしめた。

 ほかのイレブンも谷口選手と同じ思いで新年からの練習に取り組んだ。しかし、そうした思いが募れば募るほど、ここ一番の試合で気合が空回りした。

 今年6月の高校総体府予選決勝では福知山成美と同点の末、PK戦にもつれ込み敗退。その直後の近畿高校選手権大会は準決勝で、あの久御山を破って全国優勝に輝いた滝川二を2―1で撃破しながら、決勝で初芝橋本(和歌山)に0―1で競り負けた。

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 実力は間違いなくある。ただ、肝心の試合で踏ん張りきれない。夏が終わる頃、もやもやした空気がチームに渦巻いていた。

 今年の選手権大会府大会の開幕を約3週間後に控えた9月下旬、梁相弘監督(55)は、イレブンを引き連れ、東日本の強豪校と3日間で4試合をこなす過密スケジュールでの遠征を行うことを決めた。

 戦ったのは、ゴール前での急襲が得意な東北(宮城)や、スピードとテクニックを兼ね備えた帝京三(山梨)など、それぞれ持ち味が異なる実力校。タイトルのかからない練習試合ではあったが、イレブンは強豪相手に一歩も引かず、無我夢中で対峙(たいじ)した。

 結果は、立命館宇治の4勝0敗。何より、互いに声を掛け合ってゴールを死守し、4試合で1失点も許さなかったことが大きな自信となった。梁監督は「苦しい展開になっても決して勝利をあきらめない。あの遠征で土壇場での勝負強さがようやく鍛えられた」と振り返る。

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 そうして迎えた府大会。玉田健斗主将(18)は、腕に巻くキャプテンマークに「Where there’s a will,there’s a way」(意志あるところに道はある)の決意文と、「全国制覇」の4文字を書き添えて挑んだ。

 4回戦、準々決勝、準決勝とすべて1点差勝ち。6月の高校総体と同じ顔合わせとなった福知山成美との決勝戦も、前半に挙げた1点を我慢強く守り抜き、タフな試合をきっちりものにしてみせた。

 はたして立命館宇治は、全国の舞台でどんな雄姿を見せてくれるのか。玉田主将の「粘り強く、そして泥臭く戦う」という決意の言葉には、苦杯をバネにしたからこそのイレブンの思いが、詰まっている。

2011年12月24日  読売新聞)
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