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<中>門川氏 3000か所訪問 知名度アップ 中村氏 不況や脱原発 市民と懇談951票差再戦へ3000か所。3年10か月で、京都市長の門川大作氏が足を運んだ訪問先の数だ。門川氏は「現地現場主義」を掲げ、徹底的に実行した。京都経済界の有力者が「門川さんの功績は1年で364日宴会に出て、最後までおったことくらいや」と、冗談めかして言うぐらい力を入れた。 地域の祭り、スポーツ大会など、土日もなく、多い日には10か所も回った。伏見区の大岩街道周辺で不法投棄が問題化した際には、地域住民とごみを拾った。 背景には、今回も無所属で出馬する弁護士中村和雄氏(共産推薦)に951票差まで迫られ、薄氷を渡った初出馬の選挙戦がある。 2006年度、市職員の逮捕が相次いだ。「庁内出身で職員の意識改革ができるのか」との批判の高まり、政権交代前で勢いを増す民主と自民の主導権争い、自らの知名度不足。それらがないまぜになって、票に現れたのだ。 今、門川氏は語る。「課題も、その解決策も現場にある」。そんな思いで街を歩き、「行動する市長」をアピールし続けるのだ。 ■ □ 京都は1950年から7期28年にわたり、蜷川虎三知事(故人)の革新府政が続き、共産党が強力な地盤を築いた。保守系候補が初陣の選挙では、共産党が推す候補と接戦になることも多い。89年、田辺朋之氏(公明、民社推薦、自民支持)が木村万平氏(共産推薦)に321票差の僅差で競り勝ち、96年には、桝本頼兼氏(自民、新進、社民、さきがけ、公明推薦)が井上吉郎氏(共産推薦)に4092票差に迫られた。 ただ、共産陣営もその勢いはかつてほど盤石ではない。10年春の知事選では民主、自民、公明が支援した現職に、京都市内で6万票の差をつけられた。翌11年春の統一選では、市議会で4議席減らした。高齢化した支持者の世代交代が停滞、若者層への浸透力が弱まったとも指摘される。 その中で、「市民派弁護士」として知られる中村氏が立候補を表明したのは、7月30日。早々に旗を揚げ、じっくりと準備を進めて「争点」を探る作戦だ。 中村氏は京都市の不祥事追及、税金の使途を厳しくチェックしてきたから、市役所の実態をよく知る。 脱原発、不況にあえぐ中小企業支援や労働者の権利保護といった、時流に乗った論点を交えて市民とひざを突き合わせ、共産党支持者以外の取り込みを狙う。 □ ■ 現地現場主義の徹底で、門川氏は間違いなく知名度を上げた。共産陣営も、その点は認めている。 自民の加藤盛司市議は「今回、僅差はあり得ない。地下鉄経営を立て直したという、目立った実績もある」と楽観的だ。だが、ある与党幹部は中村氏を評して「共産党が推薦する人物らしからぬ、ソフトな印象。支持者の獲得も着実で、とても楽観できない」と語ったことがある。 「951票」の衝撃は、保守系政党に潜在的な恐怖としてくすぶっている。 過去の選挙での共産推薦候補の善戦は、京都の有権者が、実績が希薄な保守系候補を嫌い「浮動票」が一気に流れ込んだからだ。 どの候補が有権者の心をつかめるのか。知名度か政策か。市民の「選択」は、すでに始まっている。 (2011年12月19日 読売新聞)
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