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佐久間象山像(1919年)

偉人の生涯1枚に

佐久間象山像(1919年)

 これは河野通勢(みちせい)が描いた佐久間象山像だが、どこかで見たことがあると思い出す人もいるのではないだろうか。

 佐久間象山は、松代藩士であり、幕末の思想家・兵学者で、西洋学、砲術などを修めた。しかし、門下の吉田松陰による黒船への密航事件に連座して蟄居(ちっきょ)され、後、京都において攘夷(じょうい)派に暗殺される。

 この作品には佐久間象山の略歴が細部にまで描き込まれている。作品の右奥の窓から見えるのは、黒船到来の騒然とした場面で、馬上の男は、佐久間家の紋である丸に三引きの紋を付けており、象山を示している。象山像の右の手元には身辺から離さなかったというシュメールによるオランダ語の『百科全書』、作品の左には書斎にあった地球儀が描かれ、先進的であった科学者としての面も示している。

 この作品は、通勢の長野中学の5年後輩にあたる第19回生の卒業記念に依頼されて制作したもので、長野中学(現長野高校)の講堂に長く掲げてあり、現在も長野高校同窓会が所有し、長野高校内に展示されている。

 (県信濃美術館学芸員・木内真由美)

(おわり)

2008年11月28日  読売新聞)
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