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[検証田中県政]市町村長アンケート下 “停滞”に深い憂慮(9月15日)

「方向性見えず非常に不安」「地元の意見を聞いて」批判、戸惑い浮き彫り

 「知事のやり方では県政は停滞する」「理念も大切だが政治は結果」――。読売新聞社が実施した市町村長アンケートで、自由記述で田中知事や現在の県政に対する感想や要望を聞いたところ、県政停滞に対する深い憂慮や、“田中流”に対する強い批判や戸惑いが改めて浮き彫りになった。期待・評価する声は少数派で、県と市町村との“不正常な関係”に不満をぶちまける回答が大半を占めている。

 【政治姿勢】

 自由意見には、知事の公共事業削減による地域経済への影響や生活道路整備の遅れなどを指摘するとともに、スキー客の激減、農業の衰退など、それぞれの市町村が抱える切実な課題を訴える記述が目立つ。そんな市町村長たちにとって、知事の政治姿勢は「停滞を招いている」と見えるようだ。

 例えば、知事が今年度設置した「トイレのあり方研究会」。自らは“便座長”と称して会合を開いているが、南信地方の村長は「すべて自分でやらなければ気が済まないところが見受けられ、事業の停滞を招いている。トイレ談議も結構だが、県政の本題へ力を注いでほしい」と注文を付ける。別の村長も「理念は理念として、現実に県政が進展しなければ困る」とする。

 「田中県政がどんな方向に進むのかまったく分からなく非常に不安を感じる」という声は、全体的な青写真も、市町村への事前相談もないまま進められる「改革」に対する市町村長の不安を象徴している。

 【知事の資質】

 「動く広告塔も結構だが、タレント化した行動はいかがなものか」「口では『県民益』と言っているが、本当は『自分益』を図っている」――。

 プライベートで県内を離れることや、雑誌への寄稿、テレビ出演が多い知事に注がれる市町村長の目は厳しい。「知事の言動には県のトップとして恥ずべきことが多い」などと、「知事の資質」にまで言及する声もあった。特に、六月県議会でも問題になった知事室でシャンパン片手に女性タレントと対談したことに対しては、「こんなことを市町村でやればたちまちリコール運動が起こり罷免されることは確実だ」(中信地方の村長)との批判があった。

 また、知事は「現場主義」を掲げ、県内各地にしばしば視察に出かけるが、「現場に行って自分の価値観をむき出しにして、あたかもそれが県民益だと言わんばかりなのは暴君」という厳しい批判もあった。

 【提言と期待】

 知事にどうしてほしいか。目立つのは、「地元の意見を聞き熟慮の上で決定すべき」「県職員との合意形成に努力を」などと、市町村や県職員とのコミュニケーション不足の解消を求める提言だ。県民や県職員との車座集会にはのべ一万人以上が参加したというが、「知事のファン集会」という冷めた見方を示す首長もいた。

 「二年くらいしないと結果は出ない」「対外的にもっと長野県をアピールしてほしい」と今後に期待する意見や、「県政刷新や活性化の転換期になった」と評価する声もあったが、少数にとどまっている。「(知事を)盛り上げ育てたいが、正直言って半分心配」(中信地方の村長)。市町村長は、田中県政に対して前途多難と感じているようだ。

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