検証 県議選 (下)自民と民主

依然希薄な存在感 目指す理念 県民に明示を 「自民党の公認を取っておいて、当選すれば党にもう用はないということか」
今月十六日夕、東京・永田町の自民党本部で開かれた、県関係国会議員と県議会会派・自民クラブとの会合。自民クラブ側が、県議選の結果を受けた会派再編の情勢を報告すると、参院議員の吉田博美がこうぶち上げ、批判を展開した。
吉田が問題視したのは、党の公認・推薦を得て当選した十四人のうち現職六人が、自民クラブを母体として近く結成される「自民党県議団」に「不参加」の姿勢を表明したことだ。
六人のうち、四人が所属する会派・政信会は十六日、党県議団に合流せず、会派存続を決めた。会長の望月雄内は今回、党公認を受けながら「政信会」で届け出た。当選後も「一年前、県政会(昨年秋解散)から離脱し、議会改革の先陣を切った自負がある」との思いから、同会派で活動する道を選択した。
残る不参加組五人も、「国政と県政は別」と、県議会での存在感アピールを優先する。
とはいえ、党公認を受けながら会派名で届け出たり、当選後も党県議団に加わらないことは、有権者に分かりにくい。
県連会長の宮下創平は、議員レベルでの「政党離れ」現象について、「(自民党議員と民主党県連代表の羽田孜系議員が同居した)県政会という異質の存在が県議会を支配してきた影響」と指摘。「県議の皆さんの意識が変わるには、まだ時間がかかる」とこぼす。
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民主党は今回の県議選で、公認・推薦とは別に、候補者十八人の「支持」を決めたが、「支持」した候補者の氏名を「公表しない」としたことで、波紋が広がった。唯一の党公認で当選した倉田竜彦は、「(非公表は)政党として無責任」と批判。選挙後も、知事の田中康夫が会見で、「政党政治の終えんというだけでなく、事実をありのままに話すことにまだ逡巡(しゅんじゅん)なさる方がいらっしゃるのか」と皮肉るなど、余波は続いた。
「支持」した候補の半分近くは、連合長野の推薦候補。実はこのほかに、田中が直接支援した現職や“田中チルドレン”の新人も含まれていた。
非公表の批判を浴びてまで県連が初の「支持」を出したのは、「選挙後の県議会会派再編で、党の『枝葉』を伸ばすためだ。支持したおかげで、当選者とは会派の話をしやすくなった」(国会議員の一人)との思惑もあったようだ。
ただ、異例の非公表が、有権者に不透明な印象を与えた感は否めない。
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県議会の会派再編について、「数よりも、まずは党県議団の立ち上げが最優先。ローマは一日にして成らず、だ」(宮下)「同じ理念を共有する人で集まり、知事の改革に注文していってほしい」(民主党参院議員・北沢俊美)とする両党。ともに、希薄な存在感回復のため、新会派を足がかりにしようという点では一致する。
だが、その先に何を目指し、どうやって民意の新しい受け皿となるのか、明示し得ていないところに、今の政党政治の苦悩が凝縮されているように思える。 (文中敬称略)
(この連載は、福元竜哉、鹿川庸一郎、田中潤、久保庭総一郎、武藤修一が担当しました)
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