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<1>日精樹脂工業 依田穂積社長(2005・4・5)

「射出成形機」全国2位 国内生産で商品に入魂

写真:写真説明
 加熱溶融させた材料を金型内に注入し、冷却・固化させることでプラスチック製品などを作る射出成形機。終戦直後に町工場として出発した日精樹脂工業(本社・坂城町)は、複雑な形状の製品を量産できる射出成形機の生産販売により、国内第2位のグローバル企業に成長した。「メード・イン・ジャパン」にこだわり続ける依田穂積社長(41)に、戦略を聞いた。

           ◎

 ――2005年3月期の業績は好調のようだが。

 売り上げは計画通りだが利益面では若干下回り、反省すべき点もある。第3四半期から鉄、鋳物、板材など部材が値上がりし、調達が難しくなり、納期に悪影響を及ぼしたのが原因だ。今期はアジア、特に中国で部品調達を進め、納期の短縮を実現できると思う。

 ――販売の6割以上が海外で、輸出先の約半分が中国なのに、生産は100%坂城町の本社で行っているのはなぜか。

 射出成形機はお客さんへの要望に応え、1台1台仕様が違う。機械を作り込み、作る側の魂を入れるには日本の工場で作る必要がある。中国で生産を継続できるかというと、教育やメンタルな問題もあり難しい。

 ――中国市場の難しさは。

 買った物に対するメンテナンスへの意識が違う。日本や北米では、機械を買った会社が独自のニーズを入れながらいいものを作っていくという意識があるが、中国では機械メーカーが最後まで責任を持てという意識。中国は「ものづくり」の国ではなく「商人の国」と感じている。

 ――日本の製造業が今後空洞化する恐れはないか。

 日本では税金や保険料の問題など企業にとって向かい風の状況が増えている。一方、中国はどんどん成長しており、こちらから中国に行かざるを得ない。本社機能も日本にある必要はなくなってくるだろう。

 ――創業以来、半世紀あまりでグローバル企業に成長した理由は。

 創業者(青木固(かたし)氏)の言葉「狭く、深く、そして広く」をモットーに、会社特有の技術である射出成形に特化してきたからだと思う。

 ――経営者としての心構えは。

 どこの世界でも、小さな約束を守ることが大事だ。「信用は資本」ということを、いつも考えながら仕事をしている。

           ◇

 【社長の略歴】 上田市生まれ。東海大教養学部卒業後、2年間の住宅設計事務所勤務を経て、89年に日精樹脂工業入社。99年、米国現地法人のニッセイ・アメリカ副社長。2001年に父の依田司(つかさ)氏から社長を引き継ぐ。母、妻、子供2人との5人家族。

   

 【会社概要】 1947年、祖父の青木固氏が満州(現中国東北部)から坂城町に引き揚げ、創業した。91年名証、2000年東証上場。米国、中国など17か国で計29か所の販売・サービス拠点を展開。05年3月期の連結売上高は412億円(予想)。従業員は連結で772人。

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