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<29>KOA 向山孝一社長(06・2・14)環境との調和創造したい 抵抗器の世界占有率は約15%
KOA(コーア)(本社・伊那市)は抵抗器の世界的企業に成長した現在も、「地域社会づくりに貢献する」という創業の精神に沿い、製造拠点を伊那谷に集中させている。向山孝一社長(57)に経営理念を尋ねた。(聞き手・新居益) ――抵抗器というのは。 電子回路上の電気の流れを調整するもので、身近な電気製品にも必ず使われている。過去3年、世界市場での占有率は15%前後で推移している。生産拠点は日本、台湾、マレーシア、中国にあるが、生産額の90%近くを伊那谷で生産している。 ――なぜ伊那谷に集中しているのか。 会社が存在する目的は二つある。一つは、かつて伊那谷で主産業の養蚕業が壊滅して過疎化が進んだとき、養蚕業に代わる働く場所を提供したいと考えた創業の理念。経営者が代替わりしても、この思いは実現したい。 ――国内での生産は困難が多いのでは。 勤勉や協調性、人情のまろやかさといった地域の風土、文化を経営に反映することができるというプラス面がある。一方、円高と戦うための経営改善やコストダウン、物流面での不利などマイナス面もある。プラス面を伸ばすようにしている。 ――もう一つの存在目的は。 私が社長に就任して以降、新しい時代認識が必要になった。「拡大」から「循環」へ、「無限」から「有限」へ、「地球征服」から「生命の営みとの調和」へ、時代の価値観が変わった。このため工場からの排出物削減や周囲の森作りなどを進めている。地球と調和する企業モデルを伊那谷で創造したい。 ――経営にプラスになるのか。 プラスになるのは間違いない。実際、環境管理の国際規格であるISO14001を取得していない企業とは取引しないという企業が増えている。決算発表の場でも、こうした考えは特に若手アナリストに評判がいい。 ◇ 【社長の略歴】伊那市出身。県立伊那北高、早稲田大学商学部卒。1972年、興亜電工(現、KOA)入社。製造、営業を経験し、76年に取締役、77年に社長就任。 【会社概要】1940年創立。2005年3月期は売上高482億3000万円、経常利益30億2100万円。地域売上高は、日本55・2%、アジア20・7%、米国18・7%、欧州5・4%。
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