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<3>県農協中央会 茂木守会長(05・4・26)

農地確保し備え大切

写真:写真説明
 自由貿易協定(FTA)などの協議が進み、農業の市場開放が迫られる中、農業の体質強化のためには大規模農家の育成が必要との声が高まっている。一方、県内には小規模農家が多い。この逆風をどう乗り切るか、県農協中央会の茂木守会長(64)に展望を聞いた。

     ◇

 ◆小規模農家に逆風

 ――3月に農林水産省がまとめた「食料・農業・農村基本計画」の議論の過程で、大規模農家を強化したいという農水省の本音や世論が浮き彫りになった。

 長野県の一つの特徴は、中山間地を多く抱え、零細農家が多いことだ。地形的な理由もあり、大規模な水田を経営するのは難しい。水路の管理とか、集落単位でないと維持管理ができないなど不利な条件もある。

 ――生産性を高める構造改善が必要との声が強まっている。

 目標は、それでいいと思う。しかし、大規模農家だけでいいと言ったら、長野県の中山間地では農業は育たない。切り捨てになり、そうなると政策的には非常にまずいと思う。食糧を海外から買えなくなったらどうするのか。細々とでも現状を維持し農地をちゃんと確保して、来たるべきときに備えることが大事だ。

 ――中山間地の特色を生かした農業とは。

 小野菜(こやさい)と呼ばれるホウレンソウ、トマト、キュウリなどは、大面積ではこなせない。でも単価はいいから、うまくやれば農業として成り立って行くのではないか。

 ――日本の農政についてどう考えるか。

 日本の政策は工業や輸出優先だ。財界幹部の発言を聞いていると、農業がFTA交渉の足を引っ張っている、という言い方が多い。日本は工業立国だから仕方ない意見とも思うが、工業国のドイツは農産物輸出国でもある。日本だって、そういう風にできるのではないか。環境保全という農業の機能も、十分に評価してもらっていない。

 ――都会の退職者が農業に挑戦する例が増えるなど、一般の人々の農業に対する関心は高まっている。

 とてもいいことだ。後継者がなかなか育たない中、新規に就農していただける皆さんを大いに歓迎し、取り込まないといけないと思う。農協も行政と協力して、研修できる場所や農地の貸与などを進めている。

 【会長の略歴】

 県立北佐久農業高校を卒業し、家業を継ぎ、佐久市内でコメ、果樹(リンゴ)、野菜(レタスとハクサイ)を栽培した。佐久浅間農協組合長を経て、2004年6月から現職。県信連、県厚生連、全農長野、全共連長野の各会長を兼務する。妻、義理の母との3人暮らし。

 【長野県の農協グループの概要】

 組合員数は32万6468人で、県別では広島(40万3257人)、静岡(37万7215人)に次いで全国第3位。販売額は2092億5200万円で、北海道(7537億9000万円)に次いで全国第2位(数字はいずれも2003年度)。

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