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<42>南信州観光公社 新井徳二社長(06・6・6)

ユニークな旅行企画を提供 地元の自然・文化生かす

写真:写真説明
 「桜守の旅」「和菓子探訪の旅」といったひと目を引きそうな企画から学生向けの体験型教育旅行まで、飯田市の南信州観光公社は地元の歴史・文化・自然を生かした独自の旅行企画を提供している。本物体験と地域振興を掲げる新井徳二社長(68)に、狙いと展望を聞いた。(聞き手・浅子崇)

        ◇

 ――公社の成り立ちは。

 飯田市と下伊那郡の町村が観光面で一緒にやろうとしたのが始まり。観光を「点」ではなく「面」で展開し、通過点だった南信州を旅の目的地に変える役割を期待された。

 ――中心となる企画は。

 小、中学生向けの体験型教育旅行だ。農家民泊や田植え、乳牛の乳搾りなど様々な体験の機会を用意している。修学旅行などで年間1万7000人ほど受け入れている。

 ――「本物体験」を売りにしている。

 例えば、酪農家は出荷の関係などから乳搾りを早朝に行う。体験者の都合に合わせて昼間に乳搾りをして「本物」をうたうものもあるが、農家の日常生活を体験することが「本物体験」だ。それこそが感動を生む。体験者を客ではなく、家族の一員として受け入れている。農家などには「特別なことはしないでほしい」と常に伝えている。

 ――サクラの名木を巡る「桜守の旅」などユニークな企画も多い。

 南信州の観光と言えば、天竜舟下り、リンゴ狩りぐらいだ。改めて観光資源は何かと考えた結果、歴史や自然、文化、伝統に行き着いた。本物の自然と人々が脈々と保ってきた文化芸能が南信州には残っている。

 ――公社の使命は。

 地域振興だ。旅行会社は宿泊、交通、土産など様々な業種に影響を与える。我々は地域に人を呼び込み、“外貨”を稼いでいる。公社に登録するインストラクターは延べ2000人ほど。ほとんどが地元の人間だ。みな熱心で地域社会の活性化にも役立っている。

 ――今後の展望は。

 最近の旅行は、味覚と知的欲求が流行だ。物見遊山ではテレビの旅番組にもかなわない。団塊世代の大量定年時代も迎え、体験型旅行はますます需要が出る。南信州の魅力を全国に発信できる企業として、地域に貢献したい。

        ◇

 【社長の略歴】高森町出身。県立飯田長姫高校商業科卒。1956年3月、信南交通入社。同社取締役、相談役を経て退職。2003年7月、南信州観光公社社長に就任。

 【会社概要】2001年1月、当時の飯田市、阿智村、喬木村、浪合村、平谷村の5市村とJAみなみ信州、信南交通など地元企業が出資して設立された第3セクター。現在は、飯田市と下伊那郡全町村が出資。資本金2965万円で正社員は3人。初代社長は田中秀典・前飯田市長が務め、新井社長は2代目。売り上げは約1億6600万円(05年9月期決算)。

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