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<49>中村製作所 中村一成社長(06・9・5)

精密プレス加工 世界初の技、iPodに採用

写真:写真説明
 音楽市場を変えた米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod」(アイポッド)」。その開発の陰には、中村製作所株式会社(本社・岡谷市)の精密プレス加工技術があった。「世界初」を追求し続ける中村一成社長(52)に話を聞いた。(聞き手・森藤千恵)

 ――「ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞した技術とは。

 超小型ハードディスクドライブ(HDD)のベース(基台)のプレス製造法。従来は2・5インチより小さく、薄くなると、強度不足になった。約8年前、東芝さんからノートパソコン用に1・8インチのHDD基台を製造できないかと打診を受けた。高い精度が要求され、他社は手を出さなかったと思うが、我々は昔から人ができないことをやりたいという技術者魂を持った人間が多くいたので、世界初のサイズを実現した。小型で軽く、アイポッドに採用されて爆発的に市場が広がった。

 ――売り上げの内訳は。

 HDD基台などの部品は現在は30%。主力だったカメラは15年ほど前から海外にシフトし、複写機やプリンターなどOA機器部品が40%。自動車関係部品が15%ほど。

 ――今後の展開は。

 電子機器分野は波が大きく、車関係の比率を高めたい。HDDは市場の拡大が予測されるが、HDの容量が増えて部品により高い精度が要求される一方、価格はどんどん下がり、海外との競争が厳しい。金型技術は技術継承に時間がかかり、海外に工場を出すのも至難。今後、我々の特殊技術をノウハウとして提供してロイヤルティー(使用料)を得ることも考えている。

 ――「タイムスタンピング」という独自の造語の意味は。

 開発担当が考えた。お客の要望にタイムリーにスタンピング(プレス)精神を届けるという意味。7年後にお客が求める技術を想定して開発し、欲しいと言われた時にすぐ出せるよう用意している。

 ――「他社にできないと言われたものを注文して」と顧客に話していると聞く。

 キャッチフレーズであり、これからも自信を持って言い続けたい。新しく生み出すには、時間もコストも人手もかかり、出来上がっても他社がすぐ追いつく。それでも生き残るには、世界初の技術で先行するしかない。チャレンジが技術を向上させ、若い技術者には「世界初」がやる気にもなる。これからも技術にこだわり続けたい。

 【社長の経歴】

 岡谷市生まれ。創業者・一彦氏の二男。東海大学工学部卒。1981年に入社、04年に社長就任。

 【会社概要】

 62年創業。現在、伊那、山梨、穂高3工場を持ち、従業員約120人、国内外で25の特許権を持つ。05年8月期の売上高は約24億円。経産省の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれた。

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