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<58>島新精工 望月皎社長(06・11・21)

「携帯」需要増、追い風に 人と環境に優しい「水性塗装」

写真:写真説明
 金属・プラスチック製品の塗装で、環境と人体に優しい「水性塗装」に全国に先駆けて取り組み、技術的にも高い評価を得る島新精工(安曇野市)。右肩上がりの成長を続ける中、来年は新工場も稼働し、さらなる飛躍を狙う。望月皎(こう)社長(63)に戦略を聞いた。(聞き手・山下寛人)

 ――水性塗装とは。

 一般的な塗装は、シンナーなどの溶剤を使うが、こうしたVOC(揮発性有機化合物)による環境破壊が問題となっている。水性塗装は、主に水で塗料を溶くので、環境と人体への影響が少ない。欧米では既に主流になっているが、2〜3倍のコストがかかり、技術的にも難しく、日本での普及率は1割にも満たない。

 ――水性塗装に取り組んだきっかけは。

 1999年、大手電機会社から、エコモデルのパソコンを作りたいという依頼があり、塗料、機材メーカーと共同で研究を始めた。まだ、国内ではどの企業もやっていなかったが、生産がアジア圏に移行する中で、後発の企業が生き残るための挑戦だった。

 ――技術的な問題は?どう解決したのか。

 水性塗装は天候の影響を受けやすく、塗料と水を混ぜた後、空気に触れるとすぐに硬化するという問題がある。気温や湿度を一定に保つ設備を作り、吹き付けと同時に塗料と水を混ぜる技術を2年かけて確立した。何度もやめようと思ったが、これがクリアできて、実績を作ったから、今の会社がある。

 ――現在の売り上げの構成とこれからの見通しは。

 売り上げは、自動車の内装部品が5割。4割が携帯電話で、残りは家電製品。携帯電話の「番号持ち運び制度」が始まり、各社とも機種の数を増やしている。受注が大幅に増え、間もなく、自動車部品の売り上げを上回るだろう。来年2月、穂高地区に完成する新工場は携帯電話に特化した工場にする。このビジネスチャンスを生かし、躍進したい。

 ――今後の課題と目標は。

 水性塗装をより普及させるため、低価格を実現する技術の研究に力を注ぐ。物づくりは品質が第一。日本で最も信頼される企業を目指したい。

        ◇

 【社長の略歴】

 1943年、安曇野市生まれ。中学卒業後、地元の金型プレス会社に就職。67年に独立し、精密機器製造業「望月製作所(現・安曇精工)」を創業。98年、グループ会社として島新精工を設立し社長に就任。

 【会社概要】

 安曇野市穂高の島新田地区で設立、「島新精工」と名付けられる。2004年5月、現在の明科地区に移転。06年2月期の売上高は過去最高の6億円を記録。来年同期は9億円に達する見込み。

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